立命館大(京都市中京区)は2日、理工学部の教員2人が、国の21世紀COE(卓越した拠点)
プログラム資金や科学研究費補助金などの公的研究費計約2100万円を、
学生アルバイトへの謝礼名目で振り込ませたうえで留学生の学費などに流用したり、
親族の建築業者に横流ししたりしていた、と発表した。
同大学によると、2人は都市システム工学科の江頭(えがしら)進治教授(60)と、
同じ研究室の伊藤隆郭(たかひろ)講師(34)。
江頭教授は01〜06年度、研究室の学生39人の名義で100回以上にわたり、
調査・研究補助のアルバイトへの謝礼金を大学側に請求。振り込まれた計約1500万円を
学生に返金させ、留学生の学費・生活費や研究活動経費にあてた。私的な着服はないという。
伊藤講師は04、05年度、河川工学の研究名目で、建築業を営む父親の会社に
木材を架空発注し、大学に同プログラム予算から約593万円を支払わせたとされる。
2人は流用の事実を認め、全額を大学に返還した。大学側は今月中に2人を懲戒処分する方針。
昨年6月に別の助教授の公的研究費流用が発覚。学内調査を進める中で今回の
不正が見つかった。川口清史学長は記者会見で、「法令順守という当然のことが徹底されて
いなかった」と謝罪し、監査機能の強化や学内外の通報窓口の整備を進める方針を示した。
朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0302/OSK200703020083.html