【お笑い】週刊文春が男女千人に聞いた「テレビを消したくなる芸人」 第1位の芸人は…[03/01]
★画面から消えろ「お笑い芸人」ワースト20
「この一〜ニ年で、お笑い番組を観る人の意識がガラリと変わりました。
マイナーな芸人まで探し出して『面白くない』と断罪し、楽しんでいる。
みんな『こいつ、つまんない』って言いたいんですね。
それによって自分の笑いのレベルを試し、安心したいんです。」
構成作家の吉村智樹氏はこう実感すると言う。笑いへ向けられる目は
なんとも世知辛くなったものだ。とはいえ、テレビを付ければ、お笑い芸人のオンパレード。
そこで小誌では十八歳以上の自称「お笑い好き」男女千名に「こいつつまらない」を聞いた。
その結果、「あそこまで笑えないのは、さすがにまずい」(TVディレクター)
と業界からもお墨付きの小梅太夫が一位。歌舞伎の女形の扮装で
「小梅日記」なる日常ネタを節に乗せて披露するのだが、
「あ〜、もう飽き飽きしたような、雑誌やネットのお笑い投稿ネタの二番煎じ。
っていうかパクリ?なんとかして欲しい」(36・女・主婦)
「エンタの神様」(日テレ系)でオンエアされたのは、たとえばこんな調子。
《♪素敵なカップルだと思って眺めてたら、いちゃつきはじめました。チクショー》
《♪食卓のハエを払っていたら、ビール瓶を倒してしまいました。チクショー》
これって素人の普通の会話レベルでは?
「最近は、オチを《アホか》《バカ》と変えたり一応工夫しているけど、
ネタ自体があまりにもつまらないので、『もう要らない』と言われています」
と、お笑いに詳しい芸能記者も言う。チクショー。
「あれは芸ではなく、忘年会の親父がやる悪ふざけ以外の何物でもない」(47・男・営業)
★オリラジはもって今年の上半期
新たな展開が待たれる、だが、
「小梅太夫などは面白くない以前の問題。事実上の『つまらない一位』は
オリエンタルラジオですよ」(コラムニスト・清野徹氏)
といわれるオリエンタルラジオは九十一票を集めて二位。
「学生のやるようなコンパ芸。吉本の芸人は二丁目劇場で舞台を踏んで、
全世代に通じる笑いを勉強しますが、彼らは早くテレビに出過ぎたため経験不足。
人気は一過性で、もって今年の上半期じゃないでしょうか」(同前)
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>>2以降に続く)
(続き)
それでは若い世代にはウケているかというと、
「自分も奴等と同世代ですが、あんなのよりももっと面白い人、
普通に周りにいますよ」(24・男・サービス)
「見ていてこっちが恥ずかしくなる」(21・男・学生)
鋭い指摘もあった。
「『おもしろい』という先入観でみて笑っている人は多いかもしれないが、
冷静に見てみるとネタの中身はたいしたことないと思う」(37・女・主婦)
早速「エンタ」でのネタを検証してみた。
《ペットを連れて遠くへ散歩 ペットに連れられようやく帰宅
武勇伝 武勇伝 デンデンデデンデン》
微妙……。だが会場は爆笑の渦で、こんな疑問も。
「会場の笑い声などが入っているが、後から付け加えていると思う」(33・女・メーカー)
そんな番組が視聴率15%を稼ぐのも謎。
「オビラジR」(TBS系)「水10!オリキュン」(フジテレビ系)など冠番組でも
馬脚を露呈している。
「司会のトークは毎回スベりまくるし、笑えない。吉本が首都圏に展開する劇場に
客を呼ぶための尖兵として売っているが、下駄の履かせすぎですよ」(TVディレクター)
「抱かれたくない男」出川哲朗は第三位。
「存在意義がわからない。なぜTVに出られるのか?生きていけるのか?
全く笑えない。見ていて悲しい」(44・男・製薬)
「お笑いの人は、実際みんな頭がよいから、ぼけたり出来るのに、
この人はまじめに頭が悪いように見える」(38・女・主婦)
そりゃあんまりな言われようだが、こんな指摘もある。
「嫌いな人、という記号例のまますっと第一線で出ている。
これはある意味、天才です」(前出・吉村氏)
実際、森三中の大島は、
「尊敬するのは出川さん。番組で共演できて光栄」と公言、後輩から
多大なる敬意を表されているのだから、世の中わからない。
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>>3に続く)
(続き)
猫ひろしは八十四票で三位に並ぶ。
「せっかく島田紳助が自分の番組で使って芸を披露する場を与えているのに、
『にゃー』というくらいで何の芸もないのが見ていて不快」(45・女・主婦)
しかし現場の評判はすこぶる良い。
「非常に礼儀正しく、気持ちよく仕事ができる」(TVディレクター)という。
その理由は、
「結局フツーの人ですからね。トークもまったく面白くはないので、
1分以上、場を与えてはいけないことになっている」(同前)
それは芸人として、どうなんだろう。
「マニアックな芸風なのにメジャーになりすぎた。
こっそり活動してくれた方が面白い」(40・女・主婦)
というアンガールズは五位。こっそりどころか昨年は「24時間テレビ」で
百キロマラソン出場という超メジャーな役どころに就いてしまった。
不思議なオチのシュールなコントは一定の評価を集めているが、
「いまウケているのはひな壇芸人。くりぃむしちゅーやさんまの番組で通用する
アドリブ力がないと、ひな壇芸人にはなれない」(前出・清野氏)
★「エンタの神様」芸人のつらさ
セーラー服に竹刀片手の「スケバン恐子」でブレイクした桜塚やっくんは六位。
「あたし恥ずかしくって、火から顔が出るよ」とのボケに、
「逆だよ!」と観客に突っ込みを言わせるスタイルだが、
「芸人なら自分で笑いを取れ」(29・男・団体職員)
仇となってしまった。
「実は芸人の間でも『どうせ客いじりだろ』と批判されています。
そりゃあ面白い顔の客をからかえば誰でも笑いは取れる。
でもそれは邪道で、やらないのが暗黙の了解なんです」(芸能記者)
しかも、さらに「寒く」なる恐れもある。
「『エンタ』の芸人は一年くらい他局には出られない縛りがあるんですが、
やっくんは最近、他局解禁になった。ところがフリートークが危険で、
目上の人に失礼なことを言ったり、空気が読めない。笑いの運動神経が
低いことがわかってしまい『トークは駄目だね』と言われている」(TVディレクター)
がっかりだよ!
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>>4に続く)
(続き)
「久しぶりに『エンタの神様』を見て寒気がした」(35・女・会社員)
と言わしめたのは、ですよ。で七位。決して高くない、ですよ。の知名度から考えると、
大変な不支持ぶりである。ネタは、切符を持たずに電車に乗っていた人を
引きずり降ろしたら、運転手だった、という類の失敗談のオチに、
「あ〜い、とぅいまてぇーん。(あいすいません)」をもってくるのだが、
「一分以上のネタは見ていてもグダグダだと思う」(27・女・教育)
「ひどすぎる。逆にかわいそう」(21・男・大学生)
「苦情はこないのだろうか」(34・女・NPO法人)
「たぶん『つまらない芸人』で話題になろうとしているんだと思う」(34・女・主婦)
この悲壮感はなんだろう。
「スベっているのが可愛い、という、女性が支持しがちな文化が、
『エンタ』の空間において瞬間的に生まれたケース。かつての
『ザ・ぼんちのおさむちゃんがかわいい』というのと同じで、笑いの本質とは別。
芸人のダメさを打ち出して笑ってもらうスタイルですから、
『エンタ』以外では通用しないことを視聴者がわかっている。
そういう芸人の置かれている背景が洒落になっていないし
『この先どうするんだろう』という意味でも笑えないんです」(テレビ鑑定家・宝泉薫氏)
★ブームの終焉は近いか
同じように、自身の立場が洒落になっていないのは、だいたひかる(八位)。
年明け早々、離婚していた事実が発覚した。だがそれさえ、
「いつの間にか結婚してスピード離婚。売名かと思ってしまう」(36・女・自営)
カンニング竹山(九位)は相方の中島が亡くなるという不幸に見舞われたが、
「もともと悪人キャラなのに、実は相方の入院費用を払っていた、
というメチャクチャいい人だったということがわかってしまったことが、
実は芸人としては不幸でもある」(前出・吉村氏)そのためか、
「性格はよさそうな気がするが、切れキャラはいまいち合わない気がする。
路線を変更してもいいのでは?」(32・女・情報通信)という勧めも出た。
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>>5に続く)
(続き)
「いろんな有名人を『コイツ終わってる』『コイツやばくない?』とばかりにネタにしてるが、
実は自分の方が相当危ういことを誰よりも気づいていない」(28・女・パート)
というのは、長井秀和(十位)。間違いない。
ダチョウ倶楽部(十一位)の場合、多かったのはこんな意見。
「単品で出ている分にはまだ見れるけど、お笑い番組等で
三人そろうと全く面白くない」(30・女・塾)コレはもう解散の危機か。
「日本人女性を雑なほうへ向けている」(34・男・医薬品)
と言われたのはまちゃまちゃ(十一位)で、こちらは文化の危機。
安田大サーカス(十三位)の笑えない理由は、
「ネタを見ていると、最後までちゃんとできるのか不安になる。
ハラハラして笑う余裕がない」(26・女・事務)
山崎邦正(十三位)にいたっては、こんな目撃談もあった。
「地元で営業に来られたときです。後輩芸人と『あいうえお作文』のような歌を
作って歌うだけで、しかも『う〇こ』とか言えば面白いと思っているのか、
延々とそればかりを繰り返し、最後には可哀そうになるぐらい、
地元住民に野次をとばされ、こちらが泣きそうでした」(33・女・主婦)
笑うどころか客に泣かれる芸人っていったい……。
「ここにランクしている人はただ笑われているだけのキワモノタレントですよ」
と、演芸評論家の吉川潮氏は言う。
「かつての漫才ブームの時は十分ネタを披露して、最後まで笑わせるコンビが多数いた。
いまの芸人は外見のインパクトは強いが三分もたない。とてもライブに行きたいとは
思わないような連中ばかり。テレビでタダで見る、金を取る価値がないということです」
どうやらブーム終焉も近そうだ(終)
(週刊文春3月8日号「画面から消えろ『お笑い芸人』ワースト20」から
攻撃衛星アルテミスが書き起こしました。)
自称「お笑い好き」男女1000人に聞いた「テレビを消したくなる芸人ランキング(週刊文春調べ)」
1位・小梅太夫・95票
2位・オリエンタルラジオ・91票
3位・出川哲朗・84票
3位・猫ひろし・84票
5位・アンガールズ・82票
6位・桜塚やっくん(スケバン恐子)・81票
7位・ですよ。・68票
8位・だいたひかる・62票
9位・カンニング竹山・58票
10位・長井秀和・57票
11位・ダチョウ倶楽部・52票
11位・まちゃまちゃ(摩邪)・52票
13位・安田大サーカス・50票
13位・山崎邦正・50票
15位・ザ・たっち・43票
16位・波田陽区・42票
17位・永井佑一郎(アクセルホッパー)・39票
17位・青木さやか・39票
19位・レイザーラモンHG・37票
20位・クワバタオハラ・32票
20位・品川庄司・32票