◇長岡市妙見町で大海牛化石発見
中越地震で土砂崩れが発生した長岡市妙見町の県道復旧工事現場で、大型の海生ほ乳類
カイギュウ(海牛)の一種とみられる化石が発見されたことが9日までに分かった。
200万年以上前の化石と推定され、新種の可能性もある。学術的に貴重な発見として関係者が
分析を進めている。
発掘された海牛は体長7メートル以上と推定される。海牛類は体長3、4メートルのジュゴンや
マナティーなどが現存しているが、大海牛と呼ばれる大型の種はすでに絶滅している。
調査に当たっている同市立科学博物館によると、見つかった化石はろっ骨や前腕骨などで破片
なども含めると100点以上。ろっ骨は太いもので直径7センチほどあった。
発見された場所は白岩層と呼ばれる砂が混じる泥岩の地層で、かつては水深数十メートルから
100メートルほどの浅い海だった。地層から化石の年代は200万年から250万年前と推定されている。
北海道、山形などで化石が見つかっているが、県内で発見されたのは初めて。
昨年12月、復旧工事で斜面を掘っていた作業員が化石を発見した。
同館では「これまで300万年から120万年前の間の骨は見つかっておらず、生物の進化を考える
上で貴重な資料となる」としている。
発掘にかかわった古生物研究者の堀川秀夫さん(65)=小千谷市=は「国内で大海牛の化石が
見つかったのは数例で、発見自体が珍しい。新種の可能性もある」と話している。
画像:長岡市妙見町の土砂崩れ現場で見つかった大海牛の化石=2006年12月6日(長岡市提供)
ttp://www.niigata-nippo.co.jp/pref/dataimg/230842.jpg 新潟日報
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