◇ふぐ料理チェーン、筆頭株主は財務省 株物納で相続税
フグ料理チェーン「玄品ふぐ」などで知られる関門海(東証マザーズ上場、大阪府松原市)は9日、
財務省が同社の発行済み株式の29.8%を保有する筆頭株主になったと発表した。
創業者の死去に伴い、親族が同社株を相続税として物納したためだ。
経営破綻(はたん)した金融機関を一時的に国有化する場合などを除き、国が上場企業の筆頭株主に
なることはあまり例がないという。
同社によると、筆頭株主で約68%を保有していた創業者の山口聖二さん(当時44)が05年11月、
交通事故で亡くなった。翌年8月、山口さんの子ども3人が約23%ずつ株式を相続。
3人は一部を資産管理会社に売却後、約10%ずつを物納した。
結果、今月2日付で財務省が筆頭株主となった。
同社の経営は、創業時からの同僚らに引き継がれており、物納分は経営陣らが取得を考えている
という。
財務省によると、物納された上場企業の株式は、委託先の証券会社を通じて速やかに市場で
売却する仕組みになっている。
相対で買い戻すことはできず、同社が買い戻すには市場で買い増すか、公開買い付けするかに
限られているという。
同社は80年9月の創業。「てっちり」を1980円で販売するなど、割安感が受けて急成長した。
現在、大阪や兵庫、関東地方を中心に計117店がある。
朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0209/OSK200702090064.html