◇天台宗:半田大僧正が新座主に 「世界平和に向け努力」 /長野
天台宗(総本山、比叡山延暦寺)トップの渡辺恵進・天台座主が高齢などを理由に1日退任し、
同宗探題で常楽寺(上田市)住職や曼殊院門跡(京都市)門主などを務めた半田孝淳大僧正(89)が
同日、新たに座主に就任した。
延暦寺本坊の滋賀院門跡(大津市)で上任式が行われた後、半田座主は天台宗務庁で会見。
今年8月に比叡山などで開催する「比叡山宗教サミット20周年記念 世界宗教者平和の祈りの集い」
などを通じて宗教間対話を進め、世界平和に寄与していく意向を示した。
滋賀院で法要が営まれた後、半田座主に濱中光礼・天台宗宗務総長が就任を報告。
清原恵光・延暦寺執行が喜びの言葉などを述べた。その後、半田座主は「その任でないことは
承知しているが全力を傾注し、職責をまっとうしたい」などとあいさつした。
会見で半田座主は「日本社会の混乱の一因は、宗教を軽視し、経済的繁栄のみを価値基準と
したことにあるように思える」とし、「宗教と政治はもちろん分離しないといけないが、宗教教育の
必要性をぜひ取り上げて、やっていただきたい」と訴えた。
また「世界は9・11同時多発テロの悲劇を境に混迷を深め、恐怖の残影は今なお世界を覆っている。
イラクや中東の混乱にみられるように、さらに拡大する危険をはらんでいる」と指摘。
「8月の『祈りの集い』を通じて、世界の代表的宗教指導者と対話し、相互理解を図り、世界平和の
実現に向けて努力したい」と話した。
【服部正法】
毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nagano/news/20070202ddlk20040051000c.html