傷だらけの大黒柱が再起を誓った。日本ハム金村暁投手(30)が16日、今季の個人スローガンを「初心」と「感謝」
に設定したと明かした。昨季はシーズン終盤に、ヒルマン監督を批判する舌禍事件を起こし、44年ぶり日本一に水を差す
大騒動に発展。心機一転、出直しを誓う今季は、自戒を込めた2つの言葉を胸に、ゼロから再出発する決意を固めた。
悔恨のシーズンのスタートに、シンプルな言葉を選んだ。金村がこの日、千葉・鎌ケ谷での自主トレ終了後、神妙な表情で
今季のテーマを明かした。「ああいうこと(監督批判問題)があったので、今年は余計に『初心』と『感謝』という気持ちを
忘れずにいきたい」。完ぺきに汚名を返上するために、つらい過去をしっかりと受け止めた。
自身初、チーム44年ぶり日本一になった昨季。レギュラーシーズン1位通過争いをする中で、前代未聞の“事件”
を起こした。不本意な途中降板に激高し、ヒルマン監督を批判。日本シリーズで復帰できたが、プレーオフは謹慎処分、
罰金200万円の厳罰を受けた。「やっぱり許される行為じゃなかった」。複雑な気持ちで過ごしたこのオフ、さらに深く反省した。
初心−。言葉だけではなく行動で示し始めた。この日は2日連続で、約60メートルの遠投を行い調整ペースを上げた。
「ダルビッシュ、八木、武田勝にしてもレベルが僕より上。負けたくない」。昨オフの右ひじ手術を考慮され、首脳陣から
スロー調整を許され、今キャンプ2軍スタートを打診された。だが拒否し、1軍スタートを直訴。例年通りキャンプ初日から
ブルペン入りして若手と横一線で戦うことを宣言した。
感謝−。謹慎期間中に周囲、ファンの声に支えられた。そのためにも「結果を出すだけ。勝ち続けなければいけない」。
ヒルマン監督に対しても「1カ月で(戦列に)戻してもらった。もう何も言わない」と忠誠を誓った。
昨季まで帽子のひさしの裏には、新庄からプレゼントされた「ENJOY」の文字を書き込んでいた。
今季は新たに「初心」と「感謝」を加えることを考えている。金村がエース復権をかけて、裸一貫で試練の13年目に臨む。【高山通史】
ニュースソース
ttp://hokkaido.nikkansports.com/baseball/professional/fighters/p-hf-tp0-20070117-143466.html