◆“主役”狙う次世代ブログ SNSの利点備えるVox
■文章、写真、動画ごとに公開範囲設定
一般の利用者が気軽に情報発信できるブログが日本で始まって約3年。
開設数は868万サイトを超える大きなメディアに成長したが、
それを追い越す勢いなのが、知人との交流を目的とするSNS
(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、“世代交代”がささやかれる。
そんな中で、情報発信と交流が可能な次世代ブログ「Vox(ヴォックス)」が新たに登場、
今年は「次の主流メディアの1つとなる」と注目される。
いずれSNSから利用者を奪う利用者育成型の新メディアに成長するかもしれない。
(谷口正晃)
■揺らぐ安心感
「誰もが情報発信の担い手になれる」。
インターネットの世界で個人にとって使い勝手のよい機能を提供したブログは、
参加型を特徴とする「Web(ウェブ)2・0」という新しい潮流の中心となった。
だが、ブログは不特定多数への情報発信となるため、心ない反応が返ってきたり、
非難が集中して“炎上”の状態を招くなど、気軽に楽しめない部分があった。
これに対し、知り合いの紹介がないと会員になれない会員制のSNSが、
ブログの“弱点”を補完するメディアとして急速に利用者を伸ばしてきた。
会員以外の閲覧者から日記、名前、性別などの個人情報が見られないようにできる機能が、
安心感を与えたためだ。
しかし、SNSも会員数が膨らむと「知り合いの知り合い」と不特定多数の閲覧に近くなり、
情報漏洩(ろうえい)が相次いだりと、安心感が揺らぎつつある。
■閲覧者を選択
こうした状況に対応し、引用先をさかのぼって調べられるトラックバック機能を付けるなど、
ブログの標準ともいえる製品を生み出した米シックス・アパート(カリフォルニア州)社は
昨年、ブログとSNSの利点を併せ持つVoxを開発した。
Voxは、文章、写真、動画などコンテンツごとに、友人や全員などと公開する範囲を
設定できる点が最大の特徴。
コメントの受付も制御可能にするなど、不特定多数への情報発信によるストレスを緩和した。
例えば、結婚式の2次会の写真や記事をブログに書き込んだ場合、閲覧できるのは
家族と友人だけにすることが可能だ。
一般の閲覧者はコンテンツの存在さえ分からないという使い方ができる。
また、写真共有サイトのFlickr(フリッカー)、動画サイトYouTube(ユーチューブ)、
電子商取引のAmazon(アマゾン)などとの連携も特徴だ。
これまで自分で撮影した写真のみを使っていた利用者は、フリッカー上にあるすべての
写真やユーチューブ上の動画を、自分のブログ上で手軽に活用できるようになる。
写真:関信浩代表
http://www.sankei.co.jp/keizai/it/070111/itt070111000-2.JPG 産経新聞 2007/01/11 11:14
http://www.sankei.co.jp/keizai/it/070111/itt070111000.htm ※続きます。