ごみ拾って女優修行
「練馬くん」が演じ、「足立くん」が踊る――。一人ひとりの芸名に東京23区の区名をつけた女優ユニットが、
メジャーデビューを目指してけいこに励んでいる。「見られることが芸のこやし」と、都内の繁華街でごみ拾い
のボランティアもしている。(小金丸毅志)
世田谷区奥沢に拠点を置く「女劇(おんな・げき)TOKYO23KU」。04年春に結成された。区名を芸名にした
のは、個性を出そうと頭をひねった結果だ。「お世話になっている東京をPRしたい」という思いも込めた。
現在のメンバーは「文京くん」や「豊島くん」ら、10代後半から20代後半の9人。名前につける区は、
「住んでいる」「行ったことがある」などの理由でつける。希望の区名が使われている場合は、他から選ぶ。
ごみ拾いは新宿・歌舞伎町や渋谷・センター街など都内各地で週に1回程度、全員で取り組んでいる。
区名が背中にプリントされたユニホームを着込み、瓶や缶などを人数分のごみ袋がいっぱいになるまで回収。
これまでに23区すべてで実施した。
「女優と何の関係があるのか」とやめていくメンバーもいる中、「台東くん」(26)は「最初は恥ずかしくて、
おどおどしながらごみを拾っていたけど、今は見られることが、逆に快感になった」。「品川くん」(23)も
「舞台度胸がついた」と口をそろえる。
活動をPRするため、全区役所と都庁を訪問した。こうした宣伝が功を奏し、最近では自治体主催の
イベントに招かれたり、映画の試写会でPR役を務めたりと、活躍の場が広がってきた。
昨年12月には、放射能汚染の恐ろしさを伝える朗読劇を自主公演し、約200人の観客を集めた。
2月18日には、東京マラソンのゴール地点の有明で、大会を盛り上げるイベントに出演する。
「23区そろい踏みで、いつかメジャーになる」がメンバーの合言葉だ。
(asahi.com 2007年01月05日)
http://mytown.asahi.com/tokyo/newslist.php?d_id=1300000