★ダムに沈む長野原・川原湯温泉
明かりの下では旅館でくつろぐ家族連れらが会話を弾ませる。悲喜こもごもの出来事に明け暮れた
二〇〇六年が静かに幕を閉じようとしている。
川原湯温泉は、国土交通省が計画している八ツ場ダム建設で湖底に沈む。水没する地区は、
近くの高台に造成される代替地に移転することになり、温泉街も新天地で再出発する手はずだ。
計画浮上から半世紀以上になる八ツ場ダム建設が、節目を迎えている。新年には代替地の第一期
分譲が始まる予定で、地元住民が国交省や県などと協議している生活再建関連事業の見直しも、
ヤマ場を迎える。
政府は二〇〇七年度予算案で、同ダム建設に当初予算としては過去最高の三百八十五億円を
計上した。代替地造成などの生活再建事業を進めるほか、仮排水トンネル工事などダム本体着工
に向けて準備費も盛り込んだ。
もうすぐ新しい年が明ける。ダムに揺れ動いた山里は、静かに新生の時を待っている。
(上毛新聞 2006年12月31日(日) AM 07:11)
http://www.raijin.com/news/a/31/news10.htm