★キレる酔客 新幹線で急増 警察でお正月…ご注意
東海道などの新幹線で近年、車内や駅構内での暴力行為が増加している。乗客同士のトラブルのほか、
指定券がない乗客に差額を請求した乗務員が殴られるなど乗務員が一方的に暴力をふるわれるケース
が多い。JR各社は「暴力行為については、警察に通報する」と毅然(きぜん)とした態度を示している。
年末年始の帰省は30日がピーク。マナーを守らず、“キレる”乗客は警察で正月を迎えることになりかねない。
年間で約1億4400万人、1日あたり約39万人が利用する東海道新幹線。JR東海によると、平成16年度の
年間の暴力行為の発生件数は約120件から17年度には約170件へと急増。18年度は11月までのまとめ
で約140件。最も発生が多い12月をすぎても、年度末まで3カ月を残しているため、発生件数はこの3年で最多となりそう。
乗客同士のトラブルがほとんどだが、このうち乗務員や駅員への暴力行為は16年度約20件▽17年度約20件。
18年度は11月までですでに30件に上る。駅施設を壊されたケースも毎年20件前後発生している。ほとんどが
酒に酔った乗客によるもので、発生時間帯も夕方から深夜に起きている。
東北、上越新幹線などを運行しているJR東日本。新幹線だけの統計はないが、在来線を含め、乗務員・駅員に
対する暴力行為は平成16年度の320件が、17年度は356件へと増加。18年度は9月までの統計で146件。
例年10〜3月の期間は170〜180件前後発生、例年を上回りそう。JR東では「新幹線も増えているとみられる」と話す。
実際に発生した暴力行為の事例としては、今年8月、指定券を持たずに指定席に座っていた乗客に差額を請求
したところ乗務員が殴られたほか、同年9月には乗客が自動改札を通過する際に扉が閉まったため駅員が
声をかけると、突然殴られたこともあった。さらに、車内で眠っていた乗客を乗務員が起こしたところ、つばを
吐きかけられたという悪質なケースもあった。
いずれも乗客が酒に酔った上でのことだが、JR各社は「暴力行為は警察に届ける。『酔った上でのことなので…』
といった言い訳は通用しない。毅然と対応する」と強調している。
(2006/12/31 08:48)
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/061231/jkn061231001.htm