◆ロシアで異例の著作権裁判 政治家ら巻き込み論争
ロシアの人気アニメのキャラクター、チェブラーシカの絵柄の著作権をめぐり、
このほどモスクワの裁判所で損害賠償請求訴訟の審理が始まった。
訴訟は、アニメ作家がブルガリア企業のロシア代理店を相手取って起こした。
ブルガリア企業が歯磨き粉の商品などにチェブラーシカの絵柄を無断使用していたと主張している。
賠償請求額は470万ルーブル(約2070万円)。
事態を複雑にしているのは、ブルガリア企業がアニメの原作になった童話を書いた作家
ウスペンスキー氏から絵柄使用権を得ていることで、原作者とアニメ作家が対立する構図となっている。
チェブラーシカはトリノ冬季五輪のロシア代表チームの公式マスコット。
日本でも縫いぐるみがネットオークションで高額で取引されるなどマニアの間で人気が高い。
ビデオなどの海賊版が横行するロシアで本格的な著作権訴訟は異例とあって、
クレムリンに近い政治評論家や野党・共産党幹部が「チェブラーシカはロシアのシンボルであり、
守らなければならない」と主張するなど反響は大きい。
しかし、原作者とアニメ作家のいずれの肩を持つかとなると、
こうした人たちも歯切れが悪くなっている。(モスクワ 時事)
FujiSankei Business i. 2006/12/18
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200612180003a.nwc