日本ハム・ダルビッシュ有投手(20)が2008年に開催される北京五輪に向けて、
国籍を「日本」のみとすることが13日、分かった。イラン人の父、日本人の母を持つ
ダルビッシュは現在、2つの国籍を保持。22歳までに二重国籍の返上が求められる
国籍法にならい、決断を下すことになった。
胸を張って、堂々と日の丸を背負う準備は着々と進められていた。現在は2つの国籍
を持つダルビッシュが、2年後の北京五輪を目指して「日本」ひとつに絞り込む。
「簡単には決められない問題なのでちゃんと話し合いますが、日本国籍だけになる
と思います」と父・ファルサさん。年末に行われる家族会議で、方向性を固めていく方針だ。
五輪憲章では、二重国籍選手も、いずれかの国の代表となることは可能。ところが、
日本の国籍法では22歳になるまでに二重国籍を解消しなければならない「国籍選択制度」
がある。北京五輪の開催予定期間は、8月8〜24日。同16日は、ダルビッシュの
22回目の誕生日にあたるため、決断が必要とされた。
今季はレギュラーシーズン、ポストシーズンと合わせ15勝。日本ハム3冠の原動力
となった右腕は、来秋のアジア予選を含めて日本代表に招集される可能性が高い。
これまでダルビッシュ自身の五輪ついての目立った発言はないが、ファルサさんは
「五輪代表には興味もあるだろうし、選ばれれば光栄に思うのは間違いない」と話す。
7日の契約更改交渉後、体のケアに努めていた右腕は、14日から2軍寮のある千葉
・鎌ケ谷で“始動”する予定だ。球団側も、すでにナショナルチームへの全面協力を明言。
国籍が一本化がされれば、出場への障害はない。日本人として、ダルビッシュが初の
ひのき舞台に上る。
◆日本の国籍法と国籍選択制度 日本国民たる要件を定めるために制定された国籍法
は1950年に公布、施行された。当初は父母の国籍が異なる場合、父親が日本人で
なければ、その子供に日本国籍が与えられなかったが、85年に改定。生まれつき、
父母双方の国籍を持つことが可能となり、86年生まれのダルビッシュはこれにあたる。
同時に二重国籍所有者の数を抑えるため、22歳の誕生日までにどちらかの国籍を選択
させる「国籍選択制度」も定められた。
(2006年12月14日06時06分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20061214-OHT1T00053.htm