JT、英ギャラハー9日買収へ 海外たばこ事業統合
JTの木村宏社長は6日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、
日本企業によるM&A(合併・買収)としては過去最大となる英たばこ大手、ギャラハーの買収について、
「手続きは順調に進んでいる」と述べ、3月9日に予定されているギャラハーの臨時株主総会で正式に承認されるとの見通しを示した。
また、木村社長は、「海外たばこ事業を統括するJTインターナショナルとギャラハーを統合し、
一体的にマネジメントすることで海外たばこ事業を強化できる」と述べ、成長が期待できる海外事業の拡大に意欲を示した。
さらに、海外たばこ事業とともに強化を急いでいる食品事業について、「よい案件があれば、いつでもM&Aは考える」と述べた。
ギャラハー買収は、すでに2月22日にEU(欧州連合)委員会からの承認は得ており、
9日の英国裁判所の審問を経て、同日の臨時株主総会で正式決定される予定。買収総額は、
97・5億ポンドで現在のレートで約2兆1853億円に上る見通し。
6日にはロシアと南アフリカの公正取引委員会から英ギャラハーの買収について独禁法上問題はないとの承認を受けた。
新興成長市場のロシアと南アフリカでの承認は、海外事業拡大の追い風となる。
JTでは、国内たばこ市場が少子高齢化や嫌煙運動の広がりで縮小するなか、
ギャラハー買収により、需要が伸び続けている新興国を中心とした海外事業の強化を加速させる考えだ。
【会社概要】ギャラハー
「ベンソン&ヘッジス」や「メンフィス」、「シルクハット」などのブランドを持つ世界第5位のたばこメーカー。
2005年の世界市場のシェアは3・1%で、世界3位でシェア7・8%のJTと合わせると、
世界2位の英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの12・2%に迫る10・9%に達する。
主に欧州で事業展開しているが、ロシア、カザフスタンなどでも高いシェアを占めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070307-00000002-fsi-bus_all