□市教委経由でも政府寄り質問依頼 教育改革ミーティング
青森県八戸市で9月2日にあった政府主催のタウンミーティングで内
閣府が県教委を通じて教育基本法改正に賛同する質問を依頼していた問
題で、内閣府は県教委とは別に、八戸市教委を通じても質問を依頼して
いたことが分かった。市教委は、PTAの連合組織を通じて中学校のP
TA会長ら2人に質問を依頼していた。このうちの一人は朝日新聞の取
材に対し「質問例にこだわらずに意見を述べた」と説明したが、内閣府
の質問案と重なる部分もあった。
関係者によると、2人ともタウンミーティングの会場で発言したとい
う。質問を依頼された中学校PTA会長によると、8月末ごろ、三つの
質問が書かれた紙が自宅にファクスで送られてきた。そのうちの一つに
丸がしてあり、それを質問するよう求める趣旨のメモがあったという。
いずれの質問も教育基本法改正に賛同する趣旨だった。
その後、棒読みをしないことや、当日は係の者が席に案内することも
文書で告げられた。
教育基本法の改正案では、新たに家庭教育を重視する規定が盛り込ま
れ、内閣府が用意した質問文にも「教育の原点はやはり家庭教育だと思
います」とある。このPTA会長もタウンミーティングで、「教育の原
点は家庭教育だと思うが……」と発言し、家庭教育の規定について「大
変期待している」と語っていた。
このPTA会長は「発言の仕方まで強制するやり方に憤りに近いもの
を感じたが、一方で『こういうものなのかな』と思って特に文句は言わ
なかった。結果的に非教育的なことに加担してしまい、甘かったと反省
している。大きな渦に巻き込まれた感じがする」と話した。
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この問題に関連して塩崎官房長官は6日夕の記者会見で「八戸の問題
については理事会に結果を報告することになっている」と述べ、7日の
衆院教育基本法特別委員会の理事会に調査結果を報告する考えを示した。
出典:asahi.com 2006年11月07日08時37分
http://www.asahi.com/politics/update/1107/003.html