テヘラン――イラン国営テレビは2日、同国軍がペルシャ湾やオマーン湾で1
0日間にわたる軍事演習を開始、精鋭の革命防衛隊が複数の標的を同時攻撃す
る能力を持つ弾道ミサイルなどを試射した、と報じた。
自衛能力を示すための演習としている。イランは現在、核開発をめぐり欧米社
会と厳しく対じし、国連安保理は制裁決議案の内容の調整に動いている。また、
米国などは10月下旬、ペルシャ湾で大量破壊兵器の拡散阻止を図る海上臨検
訓練を実施した。イランはこの訓練に反発しており、今回の軍事演習が対抗措
置の可能性もある。
国営テレビによると、試射されたミサイルは「シャハブ2」「シャハブ3」な
ど。射程距離は300キロから2000キロまでとなっている。射程2000
キロとされる「シャハブ3」は多弾頭の能力を持ち、イスラエルやペルシャ湾
岸の米軍基地には脅威となっている。
革命防衛隊のサファビ司令官は1日、演習には陸海空軍が参加、潜水艦も出動
したとしている。同隊は今年4月にもペルシャ湾で演習を実施、新型ミサイル
や地雷などを実験している。
イラン軍のペルシャ湾での軍事演習は、非常事態が起きた場合、同国が国際的
な石油供給の生命線である同湾の封鎖を実行出来る能力を誇示する狙いがある
ともみられる。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200611020031.html