K−1vsサップ、全面戦争突入か!? K−1を主催する株式会社FEGの代表取締役でK−1
イベントプロデューサーの谷川貞治氏が11日、FEG顧問弁護士の五十嵐敦氏同席のもと
都内で緊急記者会見を開き、5.13「K−1オランダ大会」のアーネスト・ホースト戦をドタキャン
以来、対立が続いているボブ・サップに対し「契約の存在確認と、契約不履行に対する損害
賠償請求」で今週中にも東京地裁に訴えることを発表した。5月のK−1オランダ大会ボイコット
以来続いていたK−1サイドとサップ側による泥沼化していた言い争いは、裁判で決着を見る
こととなりそうだ。
11日未明に、サップの顧問弁護士を務めるマイケル・コネット氏からマスコミ各社宛てに
突如送られてきた1枚のFAX。それには「今年8月16日にK−1との契約を解約した」「本日
からK−1を含むすべての格闘技イベントの興行会社などから申し出を受け付ける」という
内容が書かれていた。
これを受けて、谷川氏が11日午後に緊急会見。コネット氏からのFAX文面にある「K−1
側は報酬の支払いを試みることもありませんでした。マネジメント契約についても、K−1側が
契約上の責務を果たさなかった」「オランダ大会でのK−1側による不正行為がありました」など
を「まったくの事実無根。何ら思い当たる節はない」(谷川氏)とし、今週中にも訴え出ることを
発表した。
「この悪意に満ちた一方的な契約解約に関しまして、選手のマネジメントを管理する株式会社
ケイワンとしては毅然とした態度をとりたいと思います。オランダ大会後も誠意を持ってサップ
選手側にオファーを続けていたし、新しい条件を取り入れた申し出も行っていた。サップとの
契約は全世界的に存続していますし、その確認の裁判を起こしたいと思っております。また、
サップが違反している契約に関しての損害賠償請求も行う。裁判で決着をつけたい」
さらに谷川氏は、独占契約に基づきサップは断りなく他団体からオファーを受けることは
できないとし、「今後、他団体のリングに勝手に上がることがあれば、100パーセント契約に
違反する。そうなれば、さらに契約違反の損害賠償を請求する」とコメント。また、サップを
リングに上げた主催団体に対しても責任が発生することから、その主催団体に対しても訴え
を起こすことを強い口調で語った。
また谷川氏によると、「個人的にサップと親しいK−1側のスタッフがサップ本人から聞いた
話」として、サップは11月末の日本のプロレス団体のイベントに出場して、その後に12月
31日の格闘技イベントに出場するつもりだという。それに関しても「その団体には3回ぐらい
書面で警告を送っている。返事は1回もありませんが」と明かした。
「格闘技界のイメージが悪化するのは遺憾ですし、サップは思い入れのある選手ですが
……」と、この裁判が苦渋の選択であることを語った谷川氏。ただ、具体的な日付こそ明かさ
れなかったが、契約期間そのものは当分の間残されており、その契約どおりに引き続きサップ
にオファーを出していくという。そして、「裁判の中での和解ももちろんありますし、自分の主張が
正しいと思うのなら裁判しながら試合に出てもらってもいい」と、今後もサップがK−1関連の
大会に出場できる余地があることを谷川氏は語った。
5月K−1オランダ大会から端を発したこのサップ騒動は、ついに裁判へと持ち込まれること
となった。泥沼の争いは、裁判でどのような決着を見るのか。
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20061011&a=20061011-00000032-spnavi-spo