福岡市元職員による3児死亡事故をきっかけに飲酒運転が大きな社会問題となる中、
携帯型のアルコール検知器の注文が殺到している。
生産が追いつかず、納品まで1か月以上かかるメーカーもある。
個人や企業に加え、「もはや職員個人の問題ではなくなった」と全国の自治体が一括購入しているためだ。
家庭用などの検知器は7、8年前から市販され、1台数千〜2万円程度。
あるメーカーの製品は、手のひらに乗るほどの大きさ。
息を吹きかけると、結果が数値で表示される。検査に1分もかからない。
飲酒運転が厳罰化された改正道交法施行の2002年6月以降、運送業界やバス事業者などからの注文が増えたが、
今は自治体によるまとめ買いが目立つ。
東京都練馬区では先月から、公用車運転前の呼気検査を義務化している。
検知器約50台を用意し、キーを渡す際に調べている。
大阪市環境事業局は、9月に代理店を通じ、検知器を79台購入。
ごみ収集車約800台のドライバーに、前夜の飲酒が運転に影響しないかチェックさせるためで、
検知器がそろう今月半ばから、一斉に検査を義務付ける。
香川県善通寺市は3台を導入。「午前様だと朝でもアルコールが抜けていないことが多い」と
マイカー通勤の職員へ貸し出し用で、今後、約30の全課・室に置く。
1台約1万円の飲酒検知器を販売している「匠」(北九州市)は、福岡市の3児死亡事故の後、
9月末までの1か月で3万台の注文を受けた。
事故前は5年間で約2万台だったが、現在は注文しても納品は1か月待ちという。
同社は「官公庁からの注文が増えた。100台単位で注文する自治体もある」という。
一方、市販の検知器は警察が使う機器と同一でないため、
健康機器メーカーの「タニタ」(東京都)は「検挙を免れる目的の製品ではない」としている。
(2006年10月7日14時31分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061007i106.htm (画 像)
http://www.yomiuri.co.jp/img/MM20061007143503352L0.jpg 導入する自治体が増え、品薄になっている飲酒検知器(香川県善通寺市役所で)