安倍晋三首相が8日、北京を訪問し、胡錦濤・中国国家主席や温家宝首相と会談することが1日、
分かった。中国側は会談に応じる方針をすでに日本側に伝えている。日中関係筋が明らかにした。
安倍首相は9日には韓国を訪問、盧武鉉(ノムヒョン)大統領と会談する。日本の首相の訪中は
2001年10月の小泉純一郎前首相以来で、日中首脳会談は昨年4月のジャカルタ以来となる。
8日は中国共産党第16期中央委員会第6回総会(6中総会)開幕日に当たるが、党の最重要
会議の期間中に首脳会談を設定するのは極めて異例。中国は靖国神社参拝を繰り返す小泉
前首相に反発、第3国での首脳会談も拒否してきたが、安倍政権誕生を機に日中関係の改善に
方針を転換したといえる。
汚職で上海市トップの陳良宇・前市共産党委員会書記が解任されるなど、対日強硬派とされる
江沢民・前国家主席系列の「上海閥」の勢力弱体化が進む中、「実務的」な対日関係を目指すと
される胡指導部は靖国参拝問題をめぐるこれまでの強硬姿勢を軟化させた。
同筋によると、先月、東京で開催された日中外務次官による「総合政策対話」で、谷内正太郎
外務事務次官は、安倍首相が自らの靖国神社参拝をめぐる意思や事実関係を明言しない
「あいまい戦術」を取っていることなどを説明し、理解を求めた。
これに対し中国の戴秉国外務次官は参拝自粛を求める姿勢を変えなかったものの、中国に
持ち帰り協議する考えを表明。報告を受けた胡主席ら最高指導部が慎重に協議、最終決定した
とみられる。(共同)
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006100101000440