【モスクワ30日共同】インタファクス通信などによると、ロシアのバラノフ北カフカス軍管区司令官は
30日、グルジア当局がロシア軍将校4人をスパイ容疑で拘束した事件を受け、両国間の合意に基づき
進んでいたロシア軍部隊のグルジアからの撤退を一時停止したことを明らかにした。
ソ連崩壊後もグルジアに軍の駐留を続けてきたロシアは、親欧米のサーカシビリ・グルジア政権の
要請を受け、2008年の完了を目指し昨年7月から軍の撤退を始めていた。今回の撤退停止は将校
拘束事件に反発するロシアがグルジアへの圧力を一層強めた形で、両国間で緊張がさらに高まりそうだ。
バラノフ司令官は記者団に、撤退停止の理由について「(撤退時に)移動する軍の車列の安全を
考慮した」と説明した。
タス通信などによると、在グルジア・ロシア大使館は査証(ビザ)発給業務を停止して職員の大半が
ロシアへ退避。最終的には外交官2人と護衛だけが残るという。
一方、グルジアのオクルアシビリ国防相は29日のテレビ放送で、拘束したロシア軍将校をロシア側に
引き渡す可能性も排除しないと指摘。実現すれば事態が収拾に向かう可能性がある。
ただグルジアからの分離独立を主張しロシアの支援を受けているアブハジア自治共和国近くに、
グルジアが軍を集結させているとの情報や、ロシアがグルジア国境付近で軍事演習を計画していると
の情報も流れており、緊迫感が増している。
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