若手警官の相次ぐ自殺 メンタル対策へ 兵庫県警
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000157454.shtml 採用後間もない若い警察官の自殺が全国で相次いでいる。兵庫県警でも今年、未遂を含め交番勤務の三人が自殺を図った。
いずれも勤務態度などが「まじめ」とされるタイプで、職場では悩みなどを打ち明けていなかった。
事態を重視した県警は若手警察官向けのメンタルヘルス対策に乗り出し、今月十五日には、各署の副署長を対象にした初めてのセミナーを開く。
(飯田 憲)
六月六日夕、尼崎北署内で、勤務する交番から書類を届けに訪れていた男性巡査(20)が、拳銃で頭を撃って死亡した。
採用から一年半。交番勤務となって二カ月余りの悲劇だった。
「勤務態度はまじめで、仕事上のトラブルもなかった。自殺の動機が思い当たらない…」。記者から原因を問われた辻井義弘署長は、言葉を詰まらせた。
巡査から悩みなどを打ち明けられた上司や同僚はいなかったが、その後の調査で、母親には「疲れた」などとメールを送っていたことが分かった。
八月に神戸市内のマンションから飛び降り、死亡した甲子園署員(21)、勤務する阪神間の交番で十月、自殺を図った男性警察官(19)と、三人の巡査に共通していたのは、周りから「模範的」「まじめ」と評されていた仕事ぶりや性格。
そして、自殺を図るまで、職員相談制度の利用を含め、組織内部の人間に全く相談を持ちかけていなかった点だ。
県警警務課は「悩みを抱える若手のサインを、上司が見逃さないためのシステムが必要」として、六月から全職員に対するメンタルヘルス対策に乗り出した。
警察学校の初任科生には各種相談窓口の利用方法を説明。初めて副署長を対象にした十五日のセミナーでは、精神科医を講師に招く。