アラブ首長国連邦(UAE)のドバイとアブダビ政府傘下の投資会社が、スイスの航空機整備大手SRテクニクスを16億スイスフラン(13億ドル)で買収する。国際航空旅行のハブ空港であるドバイ空港や急成長する
航空大手エミレーツ航空を持つUAEは、航空宇宙産業を重点投資分野と位置付けている。
買収するのはドバイ政府系投資持ち株会社ドバイ・エアロスペース・エンタープライズ(DAE)、アブダビ政府の投資会社ムバダラ開発、ドバイの投資会社イスティスマールの企業連合。SRテクニクスを保有する
未公開株投資家から発行済み株式の90%以上を取得する。
ドバイ政府は今年2月、航空宇宙関連の製造・サービス部門に150億ドルを投資し、10年以内に世界的大手プレイヤーになるとの考えを表明した。DAEは米航空宇宙システム大手、ハネウェル・エアロスペースの
ボブ・ジョンソン前最高経営責任者(CEO)を経営トップに迎え、10月には中東初の航空宇宙専門大学を開設する。今回の買収はDAEがかかわる過去最大の買収案件となる。
SRテクニクスは、元々は2001年に経営破綻したスイス航空の整備事業。02年に債権団から未公開株投資会社の連合に4億2500万ユーロで売却されていた。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20060908NTE2IFT0608092006.html