常陸大宮市内の2家族の大人計3人が行方不明になっている。4月から不明の
中崎本躬(もとみ)さん(84)(同市下岩瀬)と、5月から不明の坂場友造さん(58)、
みどりさん(56)夫妻(同市野口)。どちらの家族もチラシで情報提供を呼びかけ、
大宮署も捜索にあたっているが、有力な情報はまだない。家族は「このまま忘れ
去られてしまうのが怖い」と焦りを募らせている。
中崎さんは4月3日早朝、バッグを持って自宅を出た後、茨城交通のバスで水戸市
に向かった。家族は同市の末広町2丁目バス停を降りたところまで確認が取れたが、
その先の足取りは全く分からなくなった。
直後、常陸大宮市が「行方不明者捜索本部」を設置し、親類や近くの住民、地元
消防団らが自宅周辺や国道118号沿いを捜索した。15日には親族らで水戸市の
バス停周辺を聞いて回ったが、これといった手がかりは得られなかった。
年金関係の書類をバッグに入れていたため、社会保険事務所に向かったとも
考えられたが、目撃情報はなかった。家人は「1人で出かけても、必ずその日の
うちに帰ってきた。自分から行方をくらますことはないはず」と、情報提供を求める
チラシを茨城交通のバスの中に張らせてもらったり、歩いた可能性のある道沿いの
電柱や停留所などに張ったりした。
しかし、反応は鈍く、これまでに寄せられた情報は高校の女子生徒からの1件しか
ないという。
一方、坂場さん夫妻がいなくなったのは5月18日午後6時ごろ。家人に「病院に薬を
もらいに行く」と紺の軽乗用車に乗って自宅を出たきり、行方が分からなくなった。
みどりさんはこの3月、脳こうそくで倒れ、行方不明になる1週間ほど前、入院先の
常陸大宮市内のリハビリ専門病院から一時帰宅し、友造さんが毎日看病していた。
なかなか帰宅しない2人を心配し、長男が親類らと深夜まで周辺を探したが見つ
からなかった。チラシをコンビニなどに張ってもらったり、車で県内全域から福島、
栃木まで探し回った。
だが、得られた情報は5件ほど。残念ながら有力な話はまだ届いていない。
■乏しい情報案ずる家族■ 大宮署にも3人が行方不明になった直後に数件の
情報が寄せられた。今も情報提供を呼びかけるとともに、情報があれば確認に
出向くようにしている。
ただ、「(常陸大宮市が遺棄現場となった)吉田有希ちゃん殺害事件では風化を
防ぐため、懸賞金を出しているが、地域が関心を持ち続けていないと、なかなか
情報が集まらない」と指摘する。
もちろん、両方の家人とも無事な帰宅を信じて待っている。中崎さんの長男(55)
は「父からいつ連絡が入ってもいいように、夜は私ら兄弟が実家に戻っている」と話し、
坂場さんの長男(29)は「帰宅すると、家の駐車場に両親の車が止まっているのでは
ないかと、つい確かめてしまう」という。
(2006年9月4日 読売新聞)
写真
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