「防災の日」の1日、全国各地で防災訓練が行われ、37都道府県の約80万人(内閣
府調べ)が大災害に備えて汗を流した。
このうち、政府の総合防災訓練は主に首都直下地震を念頭に実施され、在日米軍が
初めて参加。首都圏で多数の帰宅困難者が出たという想定のもと、在日米軍の艦艇
などに帰宅困難者が乗り込み、隣県に搬送する試みが行われた。
政府の総合防災訓練は、午前7時15分、東京湾北部を震源とするマグニチュード7・
3の地震が発生したという想定で開始。緊急災害対策本部の設置後、首相官邸では、
小泉首相が「大規模な被害が発生しています。国民の皆様は冷静に対応して下さい」
などと声明を発表した。
中央防災会議が昨年9月、外部の援助なしに中枢機能を3日間維持することを「首都
直下地震対策大綱」に盛り込んだことを意識し、小泉首相は福井俊彦日銀総裁、石原
慎太郎東京都知事と相次いでテレビ会議も行った。
同会議が試算した被害想定では、同規模の地震が実際に起きた場合、最悪で1万10
00人が死亡し、計85万棟が全壊・焼失するとされている。地震発生直後には、公共交
通機関がストップし、都心からの帰宅困難者は約650万人にのぼるとの想定もある。
このため、東京・足立区を主会場に行われた首都圏8都県市の合同訓練では、北千住
駅に足止めされた帰宅困難者を荒川河川敷に誘導し、海上自衛隊や海上保安庁の船
舶で千葉、神奈川方面へ搬送する訓練を実施。
中央区晴海では、在日米軍のフリゲート艦「ゲアリー」が帰宅困難者を乗せ、横須賀港
まで帰宅者を搬送する。
また、がれきの下からの救出訓練には、ソウル市消防局のレスキュー隊が海外支援隊
として初参加し、東京消防庁と連携を確認した。
一方、東海地震を想定した訓練は、静岡県浜松市を主会場に行われた。警戒宣言の発
表から約1時間後、マグニチュード8・0の大地震が発生したとの想定のもと、倒壊したビ
ル内にいる被災者の救助訓練などが行われた。内閣府によると、5日までの防災週間中、
全国で計約179万人が訓練に取り組む見込み。
(2006年9月1日11時38分 読売新聞)
ソース YOMIURI ONLINE:
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060901it03.htm 画像:
地震による負傷者を運び出す訓練をする参加者たち(1日午前、東京・足立区で)
http://www.yomiuri.co.jp/img/MM20060901113114210L0.jpg