最下位当選者の当選は無効 佐賀市議選訴訟判決
2006年08月29日13時34分
昨年10月の佐賀市議選の開票作業ミスをめぐり、次点だった旧佐賀市議の永渕利己(としみ)さん
(71)ら落選した候補者ら4人が「落選したのは有効とされるべき票が無効票になったため」などとして
佐賀県選管を相手取り、選挙無効と最下位当選者の当選無効の確認を求めた訴訟の判決が29日、
福岡高裁であった。西理(にし・おさむ)裁判長は選挙は有効としたが、同市選管が無効票とした票の
中に永渕さんの有効票があると認定、最下位当選した吉川隆市議の当選は無効とする判決を言い渡
した。判決が確定すれば、市が選挙会で永渕さんの当選を決める。
西裁判長は、市選管が無効票とした「永渕としゆき」票7票について、「姓が明確に記載されているう
え、名の類似も見られる」として、永渕さんに対する投票と解するのが相当とした。
県選管は判決後、「主張が認められず残念。判決内容を精査して上告するかどうか検討したい」との
コメントを出した。
訴訟で原告側は、佐賀市選管の開票時の集計ミスや、開票作業をする市職員向けの市選管の事前
説明会に全体の1割しか出席していなかったことなど選挙のずさんさを指摘。市選管が「明らかな無効
票」とした87票のうち「としき」票1票、「永渕としゆき」票7票の計8票について、永渕さんの有効票とす
るべきか、少なくとも同じ永渕姓の別の候補者との案分票にすべきだと主張。
県選管側はそれらの票について「市議選と同時に行われた佐賀市長選候補者らの誤記と認められ無
効」と反論していた。
永渕さんらは選挙後、市選管に選挙無効などを求め異議申し出をしたが、市選管は「選挙の結果に影
響はない」と棄却。永渕さんらは市選管の決定取り消しを求め佐賀県選管に審査を申し立てたが、県選
管は2月、申し立てを棄却する裁決を出した。
http://www.asahi.com/national/update/0829/SEB200608290006.html