2006年08月28日01時44分
三重県紀北町海山区上里のJR紀勢線向井東第2踏切で27日、列車が近づいても
警報機と遮断機が作動しなくなるトラブルが起きた。JR東海はこれに気づかず、
事故防止の社員を配置するまで、この踏切を少なくとも特急と普通列車計3本が
通過していた。JR東海は同日の最終列車が通過後に原因などを調べるとしている。
JR東海によると、この日朝、現場付近では激しい雷雨となっており、踏切のある
区間は一時、列車の運行を見合わせていた。午前11時半ごろに運行を再開したが、
同日正午ごろ、「遮断機が下りていない踏切を列車が通過した」との電話が同社に
あった。
これを受けて同社は現地に社員を出し、同日午後0時半ごろに初めて、警報機や
遮断機が作動しないトラブルが分かった。踏切には故障を示す表示も点灯していな
かった。
踏切のトラブルは、主な在来線の運転を管理する東海総合指令所(名古屋市)で
分かるはずだったが、ここでも故障表示が出ておらず、把握できていなかったという。
同社は社員を配置して踏切の利用者に注意を呼びかけたが、それまでに少なくとも
3本の列車がこの踏切を通過した。
問題の踏切は三野瀬駅と船津駅の間にあり、幅約3メートルの道が線路と交差して
いる。集落のはずれにあり、近所の人の話では、主に地元住民が利用しているという。
通常は踏切の手前800〜900メートルに設置した機械が列車を感知し、警報機や
遮断機を作動させることになっていた。
トラブルの原因はわかっておらず、同日夜まで警報機、遮断機が作動しないまま、
列車の運行を続けた。
JR東海広報部は「これまで聞いたことがない故障だ」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/0828/NGY200608270002.html