【社会】消えゆく風物詩 八戸沖のイカ漁いさり火 ≪昼釣り移行、原油高も影響≫

このエントリーをはてなブックマークに追加
1ミス・たわし(060918)φ ★
 青森県八戸沖で夏から秋にかけての風物詩だったスルメイカ漁のいさり火が消えつつある。八
戸港はイカの水揚げ量で日本一を誇るが、東京・築地中央卸売市場の朝の競りに間に合わせる
ため夜釣りから昼釣りへの移行が進んだことに加え、急激な原油高が追い打ちをかけた。

 夜釣りは、動きが夜に活発化して光に集まるイカの習性を利用し、集魚灯をともしておびき寄せ
る伝統漁法。最盛期の8〜10月には八戸前沖と呼ばれる近海に、全国各地から集まる漁船の集
魚灯が無数に浮かび、幻想的な情景が広がったが、今月中旬現在で夜釣りを続けているのは1
隻だけ。

 大消費地の首都圏に新鮮なイカを届けるためには、昼に釣って夕方には地元の市場に出さな
ければ間に合わず、卸売業者や仲買業者が出荷体制の変更を要望。八戸市が漁業関係者と協
議し、3年前から徐々に昼釣りにシフトしてきた。

 市産業振興部水産事務所によると、日帰りで漁に出る小型イカ釣り漁船のうち、平成16年は夜
釣りが延べ4781隻に対して昼釣りは延べ2799隻だったが、17年には夜釣りが延べ1773隻、
昼釣りが延べ3983隻と逆転した。

 今年は7月末までの集計で夜釣りが延べ57隻に対し、昼釣り485隻だった。地元市場で午前
7時からの競りはほとんど行われなくなった。

 八戸みなと漁協などによると、最近の原油高を受け、経費節減のため昼釣りに転向した漁船も
多いという。ただ、昼釣りはいさり火でイカを集めることができないため、効率は夜釣りに及ばない


 地元のイカ釣り漁業関係者は「重油の価格は現在1リットル約67円で昨年の2倍。中型漁船の
年間水揚げ高1億2000万円のうち約4200万円が燃料代で消える。イカ漁自体も不振で浜全体
が悲鳴を上げており、来年も生き残れるか心配だ」と話す。

 いさり火は観光資源の1つだけに、名物が消えることは痛手となるが、八戸観光コンベンション
協会は「漁業者の生活もかかっており、何とも言えないが、夜釣りでは難しい漁船への体験乗船
が昼釣りならできるようになった」と話した。(米沢文)

(08/24 02:26)

ソース http://www.sankei.co.jp/news/060824/sha015.htm
2名前をあたえないでください
LED導入はコストかかり過ぎるのか?