指定暴力団山口組(神戸)傘下の道内の暴力団員数が、二○○五年は二千八百人と
一九九六年に比べて8%増え、全暴力団員の67%を占めたことが道警の調べで分かった。
暴力団対策法の施行で、みかじめ料収入が減った暴力団が、山口組の「看板」を頼りに
結びつきを強めているとみられる。山口組傘下の組織は、本部へ多額の上納金が必要で、
大規模な重機窃盗など組織的な犯罪を繰り返す背景とみられ、道警は警戒を強めている。
道警捜査四課によると、山口組は道内に本格進出した八五年以降に勢力を急速に拡大。
道内の暴力団員に占める割合は○五年は67%と、九六年から6ポイント増えた。
このほかの広域暴力団の割合は稲川会が17%、住吉会8%。全国の山口組の占有率
48%に比べ、道内での勢力拡大が目立つ。
ただ、山口組の傘下に入ると、直系組織で本部へ年間一千万円以上、末端組織でも
上部団体へ年数百万円の上納金が必要とされる。このため、「上納金が払えず、引退する
ベテラン組長もいる」(捜査員)一方、「金になるものに群がる」(道警幹部)傾向が強まり、
傷害、恐喝などに加え、組織的な犯罪も目立つ。
道警が七月までに摘発した重機窃盗事件では、道内最大の山口組直系組織「誠友会」幹部
(55)をはじめ暴力団員ら計約百二十人が関与した。被害額は七億五千万円に上った。
また、虚偽の養子縁組で商工ローン大手の金融会社から約三千八百万円をだまし取り、
計四十人が逮捕された事件でも、複数の山口組系暴力団員が「指南役」として暗躍し、
被害が拡大した。
道警は昨年四月に組織犯罪対策局を新設。今後、資金調達をめぐり山口組系の組同士に
よる争いも激しくなるとみて、取り締まりを強化する。
ソース(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060818&j=0022&k=200608184227