同級生の福原愛からもらったお守りを手に笑顔の青森山田・野田
【青森山田7―0延岡学園】お守りパワーで完封だ――。第88回
全国高校野球選手権大会第6日は11日、2回戦4試合が行われ、
青森山田(青森)の野田雄大投手(3年)は同級生で卓球の福原愛
(17)から渡されたお守りに支えられて延岡学園(宮崎)を5安打完
封。打撃戦が多かった今大会で完封一番乗りを果たした。また、第
4試合でも福岡工大城東(福岡)の梅野無我投手(3年)が専大北上
(岩手)を完封。逆転勝ちの桐生一(群馬)、東洋大姫路(兵庫)も3
回戦へと駒を進めた。
“愛”の力は偉大だった。野田が大舞台のマウンドでスイスイ。わず
か109球で延岡学園打線を料理した。駒大苫小牧・田中、八重山商
工・大嶺ら、怪物腕たちでさえできなかった今大会完封第1号ににん
まりだ。
「完封できるとは思っていなかった。最初の完封は正直、うれしいで
す。お守りは効きましたね」
炎天下での野田を支えたのは帽子の裏に潜ませたピンクのお守り
だった。
“野田君へ 自分を信じる 頑張って下さい 福原愛”
福原愛とは言わずと知れた卓球界のスーパースターだ。野田は青
森山田中時代からの同級生。中国を活動の本拠地にしている“愛ち
ゃん”はなかなか同校に顔を見せることはないが、その中でも野田は
野球部で一番の顔見知り。今回のお守りは青森大会決勝前、チーム
でただ1人もらったものだから相当な“レアもの”だ。
登板前にメッセージを読んでからマウンドへ。最速140キロの直球
と切れのあるスライダーをテンポ良く投げ込む。5安打4四死球で8
回以外は毎回走者を背負いながら要所を締め、得点は許さなかった。
投げるだけじゃない。打席でも2回、左中間へソロ。甲子園での完封
&一発は昨夏、同校の柳田(ロッテ)が記録して以来の快挙となった。
とはいえ、その“愛ちゃん”はこの日、高校総体の個人決勝で敗れた
とあって「僕もエールを送りたかった」と野田は複雑な表情だ。
2回、大東と野田による1イニング2本塁打、8回の本田も加えた1試
合3本塁打は、いずれも青森県勢としては初の快挙だ。3回戦は夏3
連覇を狙う強豪・駒大苫小牧が相手。「田中は意識しないで自分の投
球をしたい。愛ちゃん?応援に来てくれればいいですね」と野田。“愛”
のパワーがあれば力の差なんて。青森山田が大物食いを狙う。
[ 2006年08月12日付 紙面記事 ]
そーす
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2006/08/12/09.html