大阪市発注の街路樹維持管理業務を巡る不正入札事件で、偽計入札妨害罪に
問われた市ゆとりとみどり振興局前庶務課長・藤野孝之被告(52)(休職中)ら3人
の判決が10日、大阪地裁であった。
川合昌幸裁判長は「多数の入札の公正を害した悪質な犯行」として、藤野被告に
懲役1年2月、執行猶予3年(求刑・懲役1年2月)を言い渡した。大阪市が一連の
同和行政を見直すきっかけとなった事件で、川合裁判長は判決で、「前例に従い
適正な公務執行をないがしろにしてきた大阪市全体の同和対策のあり方自体が
問題の背景にある」と厳しく指弾した。
他の2人の判決は、前同課長代理・飯田浩教(42)、同課前調達係長・向井優
(52)両被告(いずれも休職中)が、それぞれ懲役1年、執行猶予3年(求刑・各
懲役1年)。地方公務員法は、禁固以上の刑が確定した職員は失職すると規定
している。
判決によると、藤野被告ら3人は、2004年4月〜05年5月に行われた街路樹
維持管理業務委託など計27件の指名競争入札で、入札参加業者を選定する際、
大阪府同和建設協会(同建協)所属業者を確実に落札させるため、同建協所属
業者だけを指名業者に選定し、入札の公正を害した。
判決で、川合裁判長は、大阪市が長年にわたり、同建協所属業者を優遇する
「同建協方式」と呼ばれる入札を実施していたことについて、「あしき前例を踏襲した
事なかれ主義」と批判した。
関淳一・大阪市長の話「今回の非常に厳しい司法判断は、個々の職員というよりも
大阪市に下されたものと受け止め、市民の信頼回復に全力を挙げて取り組みたい」
(2006年8月10日12時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060810ic01.htm
部落怖い