「チューチュー」の愛称で知られる棒状のプラスチック製容器に入ったジュース。この
プラ容器や成型機、充填(じゆうてん)機まで一貫製造する国内最大手の備南工業
(広島県福山市、小坂章則社長)が、中国向けビジネスを拡大させている。すでに全
社売上高の3割を中国向けが占めており、「数年中には3億〜4億円の水準にまで
拡大させる」(同社)と意気込んでいる。
同社は約20年前からプラ容器入りジュース用の容器や製造設備を開発・製造してい
る。中央部にくびれをつけた容器は、「冷凍すると半分に割って食べられ、搬送時の強
度も増した」。特に充填機は容器内の空気を抜いてジュースを詰める独自の方式で、
90%以上の世界シェア(市場占有率)を持つ。
ただ、国内のプラ容器入りジュースの市場は、少子化の影響もあって縮小傾向。この
ため、最近は海外向けに注力しており、米国や韓国、マレーシア、シンガポールなど2
0カ国に製造設備などを納入した。
特に経済成長が続く中国では近年、夏場のプラ容器入りジュースの需要が急増。備南
工業はこれまで、台湾に本拠を置く大手食品メーカー旺旺(ワンワン)集団の中国本土
の12カ所の工場に製造設備を納入するなど、旺旺集団との取引は年間2億円前後に
上っている。「今後は四川省など内陸部の工場への設備納入を目指す」という。
平成17年度の備南工業の売上高は約8億円。中国向けの売上高比率は今後さらに高
まる見通しで、「中国のほか、インドなどBRICs市場の開拓も目指したい」としている。
(08/06 20:23)
ソース Sankei Web:
http://www.sankei.co.jp/news/060806/kei073.htm