≪2人目被害者の殺害指示≫
大阪府東大阪市の東大阪大4年、藤本翔士さん(21)ら2人が生き
埋めにされた集団リンチ殺人事件で、主犯格の1人とされる無職、小
林竜司被告(21)=殺人容疑で再逮捕=の知人で岡山県内に住む
30歳代の暴力団関係者の男が、2人目の被害者となった奈良県大
和郡山市の無職、岩上哲也さん(21)の殺害を具体的に指示するな
ど深く関与していた疑いが強まり、大阪、岡山両府県警合同捜査本
部は5日、殺人容疑で7日にも男の逮捕状を取り、指名手配する方針
を固めた。男は事件後、行方が分からなくなっているという。
調べでは、男は小林被告が岡山県内の風俗店で働いていたときの
知り合いで、地元の暴力団と関係があったとされる。小林被告は、中
学時代の友人で元東大阪大生、佐藤勇樹被告(21)=同=らが、女
性をめぐるトラブルで、藤本さんと岩上さんのグループから慰謝料を
要求されたことを知り、6月17日に男に電話をかけて相談した。
男は「相手を拉致してリンチを加え、そいつらから金を奪え」と指示。
山口組関係者を名乗ったとされる岩上さんについては、「サラ金とか
で借金漬けにしたるから知り合いの暴力団事務所へ連れてこい」と、
けしかけたという。
この後、小林被告はもう1人の主犯格とされる元大阪府立大生、廣
畑智規被告(21)=同=の具体的な指示の下、藤本さんと岩上さん
の2人へのリンチを実行。同19日未明に藤本さんを岡山市の資材置
き場へ生き埋めにして殺害した後、廣畑被告に「(岩上さんは)暴力団
事務所へ連れていく」と伝え、廣畑被告も了承した。
小林被告は岩上さんを車のトランクに監禁し、男に再び相談。男か
ら「金が取れないなら連れてこんでいい。警察に通報されるとまずい
ので、生きて帰さず処分しろ」と指示され、同被告と無職少年の2人が
20日未明、資材置き場で岩上さんを生き埋めにしたという。
捜査本部は、小林被告への男の指示が、岩上さんの殺害に極めて
重大な影響を与えた点に注目。殺害の実行に直接関与していなくて
も共謀共同正犯に問えると判断し、逮捕状の請求に踏み切る方針だ。
≪4人再逮捕へ≫
捜査本部は、小林被告ら再逮捕された9人の拘置期限の8日、岩上
さんへの殺人容疑で、小林被告と廣畑被告、元大阪商業大生、白銀
資大被告(22)=同=、小林被告の元同僚の無職少年(16)=同=
の計4人を再逮捕する方針を固めた。
小林被告らは岩上さん殺害についても「廣畑被告の了承を得た」と
供述しており、捜査本部は最初の集団リンチから岩上さん殺害まで
のすべての犯行で、廣畑被告が主導したと断定。廣畑被告をリーダ
ーとする暴行グループによる事件の構図がほぼ固まった。
(08/05 17:08)
そーす
http://www.sankei.co.jp/news/060805/sha088.htm