【岩手】町をアジサイで飾る 岩泉の昆野さん

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1ミス・たわし(060918)φ ★
 アジサイの植栽を続けて30年―。岩泉町岩泉小屋敷の会社員昆
野キヨさん(65)は、町内をアジサイの花でいっぱいにしたいと、苗を
育て植栽する活動に取り組んでいる。1人で始めた活動は約30年に
及び、自分で植えたり住民に苗を提供した数は約1万2000本に上る。
今年も町内のあちこちにアジサイの花が咲き誇り、見ごろを迎えた。
住民に癒やしと潤いを与えており、昆野さんの地道な活動は大輪の
花を咲かせている。

 昆野さんがアジサイに出合ったのは1965年ごろ。龍泉洞で一株の
アジサイを見つけ、家族が自宅庭に苗を植えた。このアジサイが、青
い花を咲かせたのはそれから10年後。昆野さんは「草むらの日陰の
中で10年も生きていて、すごい生命力だと思った」とアジサイに魅せ
られた理由を語る。

 その後、夏場に多くの観光客が訪れる龍泉洞にアジサイを咲かせよ
うと、75年ごろから龍泉洞近くの山林で挿し木を繰り返して植栽し、徐
々に増やしていった。時間を見つけては1枚1枚丹念に葉を切り、朝晩
の水やりにも精を出した。

 88年から友人に苗の提供を始め、活動の輪が広がった。苗をもらっ
た各家庭でアジサイを育てるようになった。現在は毎年6月ごろ、知人
や役場を通して約1000本の苗を配っている。 

 3年間で約500本の苗を預かり、町民に配布している町役場大川支
所の佐々木和子支所長(55)は「手が掛かると思うが、1本ずつ鉢に
苗を入れていただいている。アジサイの淡い色を見ると、心が癒やされ
る」と昆野さんの献身的な活動に感謝する。

 苗を育てている昆野さんの自宅近くの山林では現在、アナベルやク
レナイなど約40種類、2000本のアジサイが咲き誇る。町民会館や保
健センターなど公共施設の周辺でも色とりどりの花を咲かせ、8月末
ごろまで住民の目を楽しませる。

 昆野さんの評判は町外にも広まり、盛岡市や宮古市からも苗提供の
依頼が後を絶たない。昆野さんは「葉も花びらも種類によってそれぞれ
違う。花が咲くと本当にきれいで、アジサイを大事にしてくれる人にあげ
たい」と活動の継続を誓っている。

そーす http://www.iwate-np.co.jp/news/y2006/m07/d31/NippoNews_15.html