高松塚古墳(奈良県明日香村)を発掘調査し、極彩色壁画を発見し
た関西大名誉教授の網干善教(あぼし・よしのり)氏が29日、死去し
た。78歳。奈良県出身。自宅は奈良市朱雀。
龍谷大大学院修了。関西大助教授で同県立橿原考古学研究所研
究員を兼務した1972年、高松塚古墳発掘の現場責任者になり「飛
鳥美人」と評された人物群像や四神図など極彩色の壁画を発見、古
代史ブームを巻き起こした。壁画の劣化が発覚してからは文化庁の
姿勢を厳しく追及。文化庁が計画する古墳の解体に強く反対していた。
多くの考古学者を育成し、石室の四神壁画が確認されたキトラ古墳
(明日香村)の学術調査団顧問を務めるなど、飛鳥地方の古墳調査
に尽力。関西大百周年記念事業で、インド政府と共同の祇園精舎遺
跡発掘を担当した。
著書は「飛鳥の遺跡」など。
(07/30 10:16)
そーす
http://www.sankei.co.jp/news/060730/bun048.htm