北陸を舞台にしたロシア人らによる連続高級RV車窃盗事件で、富山県警
伏木富山港周辺プロジェクトは二十六日までに、摘発した犯行グループが
盗んだ車をナホトカやカムチャツカの港を経由して密輸出していたことを突き
止めた。犯行グループは北陸以外に東京や千葉、埼玉など首都圏でも
自動車盗を重ね、被害は計百数十台に及ぶことも判明した。県警は、暴力団
やロシアマフィアが介在する大規模な密輸組織があるとみている。
この事件で、県警は昨年秋に窃盗容疑で、ロシア人の主犯格一人と実行犯
三人=いずれも一審有罪判決済み=、盗難車の偽装工場を提供していた
富山市西二俣、会社員中野信俊被告(45)=同罪で公判中=を逮捕した。
調べでは、逮捕したロシア人らの供述などから、盗難車はカムチャツカルート、
ナホトカルートを使ってロシアに密輸されていたことが分かった。主犯格の男は、
ロシア・ウラジオストクにいる共犯者から命令を受け、実行犯の三人に指示を出し、
盗みを繰り返していた。少なくとも二〇〇三年ごろから犯行を重ねていたらしい。
被害は北陸三県のほか、首都圏や関西にも及び、実行犯が使っていた乗用車
からドライバーやカッター、トランシーバーなど盗みに使用した道具と、現金三千
万円が見つかったという。
実行犯の三人は、針金などを使って鍵を開ける役と、キーシリンダーを付け替え
てエンジンを始動させる役などに役割分担していた。富山市内の倉庫では、キー
シリンダーなど車両の部品の付け替えなどが行われ、偽装用の工場になっていた。
判決などによると、ロシア人窃盗団は昨年六月から九月にかけて、ほかのロシア
人らと共謀し、砺波、金沢、福井市内など北陸三県で、RV車などの高級車十一台
をロシアへ密輸出するため盗んだ。
ぉソース:
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20060727002.htm