国語に関する世論調査では、社会生活を営む上で敬語を使いたい人が92.5%
に達しているものの、「難しい」と感じる人が67.6%いることが分かった。話し手が
聞き手に上品な印象を与えるために使う美化語の「お」の使用をめぐっては、「弁当」
に「お」をつけて話すのは女性の4分の3を占めたが、男性は4分の1にとどまって
おり、男女差もくっきりと表れた。
文部科学相の諮問機関である文化審議会の国語分科会は現在、敬語の指針を
作成しており、今回の調査結果も踏まえて来年2月までに答申する方針だ。
敬語使用についての考えを聞いたところ、社会生活を営む上で「使いたい」とした
のは92.5%で「使いたくない」の6.2%を大幅に上回った。ただ、敬語が難しいと
感じたことが「ある」のは67.6%で、「ない」(31.3%)の倍以上に達した。敬語を
使う対象(複数回答)では、「年上」が82.7%と最も多く、「目上」「知らない人」
「尊敬する人」が50%以上で続いた。
美化語の「お」をつけるかどうかを15の言葉について聞いたところ、「菓子」「酒」
「米」「皿」「弁当」「茶碗(ちやわん)」は「お」を付ける人が多かった。「酢」(43.1%)
と「お酢」(44.8%)は拮抗(きつこう)した。
男女別に見ると、使用率はすべての言葉で女性の方が男性を上回った。特に、
「弁当」「皿」「酒」「米」については、7割以上の女性が「お」を付けて話すが、男性
の場合は4割未満で大きな男女差が現れた。一方、「菓子」に「お」を付けるのは
女性の85.2%、男性の60.1%。唯一、男性の使用率が過半数に達した。
業務終了時のかけ声を尋ねたところ、目上に「お疲れ様」を使うのが69.2%で
「御苦労様」の15.1%を大幅に上回った。目下の人に「お疲れ様」というのは
53.4%で「御苦労様」は36.1%。一般的には、目上に対し「御苦労様」を使うの
は失礼とされるが、そのマナーが一応は定着していることがうかがえた。
(07/27 00:39)
ぉソース:
http://www.sankei.co.jp/news/060727/sha004.htm