県教委は二十五日、県立館林美術館所蔵のガラス作品に今年四月、
約三十センチの亀裂が入っていたと発表した。展示室と作品自体の急
激な温度変化が原因とみられるが、「他の美術館でもこうした例は聞
いたことがない」(県教委)という。
同館によると、損傷したのはチェコ人の現代ガラス彫刻の第一人者、
故スタニスラフ・リベンスキー氏らの作品「鳥」。鳥をかたどった鋳型に
ガラスを流し込んだもので、同館が一九九七年、約四百三十万円で
購入した。翼上部に長さ三十センチ、幅一・五センチから最大で十五
センチの亀裂が入った。
亀裂が入ったのは、展示を始めるため、収蔵庫からガラス張りの南
向き展示室に作品を移した四月十五日ごろ。調査によると、展示室の
室温は、空調のスイッチを入れる午前九時ごろまでに、日照により約
三八度まで上昇。空調を入れると、急激に二〇度前後まで室温が下
がるため、損傷につながったらしい。
同館は共同制作者でリベンスキー氏の妻ヤロスラヴァ・ブリフトヴァ
さんや専門家らと修復方法を話し合う。県教委は「購入時に熱に強い
との説明を受け、管理も徹底していた。今後、ガラス作品の展示方法
を確認していきたい」としている。
そーす
http://www.tokyo-np.co.jp/00/gnm/20060726/lcl_____gnm_____002.shtml