長引く梅雨と記録的な大雨の影響で、各地で農作物に深刻な被害が
出ている。川がはんらんした長野県では被害額が15億円以上に達した。
市場でもレタスなどの価格高騰が始まっている。8月中には価格が落ち
着くとみられているが、市場関係者からは「このまま雨と日照不足が続く
と、さらに高騰する」との声が出ている。
25日も雨が続いた長野県千曲川流域は、畑や果樹園が広がっており
農作物に甚大な被害が発生している。県農政部は前日(24日)までの
被害状況を集計し、報告があった24市町村の被害額合計は約15億68
00万円。須坂市は被害が大きく、リンゴやモモだけで計4億6000万円
に上った。農政部農業対策チームは「山間部の雨が河川敷の農地に流
れ込んでいるのが原因。台風がいくつも上陸した2年前は果物の収穫が
ほぼ終わっていたが、今回は収穫期と重なった。市場価格的には今回
の方が被害が大きいのでは」と分析している。
大雨の影響は、家庭の食卓も直撃しそうだ。東京・築地の中央卸売市
場では、前年に比べ青果物の入荷量が約10%減少。品薄から、葉物野
菜を中心に価格が急騰している。15日に1玉(Lサイズ)約63円だったレ
タス(長野県産)の卸売価格は、25日の終値で同147円と2倍以上に。
ホウレンソウは1束231円で、15日の84円に比べ約3倍の値を付けた。
サニーレタス、コマツナ、ネギ、ナス、キュウリなども同様に値上がりして
いる。
同市場の仲卸業者「くしや」の杉本雅弘社長は「土から直接生えてくる
野菜は影響を受けやすい。雨だけでなく日照不足も発育を遅らせる」と
説明。一般的に、野菜は種をまいてから収穫まで約2カ月かかるとされ、
「このまま雨が続くと畑の中でくさってしまう。日が照らず、台風などで育
成が遅れると、レタス1玉1000円ぐらいになる可能性もある」という。大
手スーパーの青果担当者は「市場にも商品が入ってこない状態。8月末
には価格が落ち着くとみているが、台風シーズンなので、まだ先が読め
ない」と頭を悩ませている。
そーす
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/07/26/01.html