片品村花咲のスキー場「武尊牧場スキー場」(運営・武尊山観光開
発)で6月、リフトに乗った70代の女性2人がリフトごと転落し重軽傷
を負った事故で、国土交通省関東運輸局は24日、同社に対し、鉄道
事業法に基づき、安全管理体制の改善を求める事業改善命令を出し
た。リフト運行会社への事業改善命令は全国で初めて。県警は業務
上過失致傷容疑を視野に調べている。
事故は、「搬器」と呼ばれる2人乗りリフトとケーブルをつなぐ金属製
パイプのアーム部分(懸垂部)が破断して起きた。運輸局が調べたと
ころ、同社は3月22日に実施した検査で、落下したリフトの懸垂部に
変形があることを把握していながら、補修などの適切な措置を講じて
いなかった。劣化、損傷していたリフトの振れを止める装置のゴム部分
もそのままだった。
また、営業中は月に1度実施することが義務づけられている「1月検
査」を毎月実施していなかったことも判明。検査項目は規定を満たして
おらず、「設備の維持管理が会社として不十分だった」(同運輸局)とい
う。
同社の唐沢太市社長(74)は「事故は弊社の安全管理体制の不備、
従業員の安全意識の不徹底に起因するところが大である」と認めたう
えで、「改善命令を真摯(しんし)に受け止め、安全確保体制の強化と
従業員教育の徹底に万全を期したい」としている。
そーす
http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/gunma/html/kiji02.html