12日の南北閣僚級会談の1回目の全体会議で、韓国側はミサイル問題を取り上げた一方、
北朝鮮側は荒唐無稽(むけい)な主張をし、双方の議論は終始かみ合わなかった。
会談で北朝鮮側はミサイル発射問題については言及を避け、的外れな要求を次々と突きつけた。
北朝鮮側代表の権虎雄(クォン・ホウン)内閣責任参事は、
国際情勢の変化に影響されることなく(2000年の)6・5南北共同宣言の履行を通じて
さまざまな障害を取り除いていこうと主張した。
その一つ目の課題として、8月15日に平壌で行う(日本の支配からの)解放記念行事の際、
韓国側代表団が「革命の聖地」を訪問するよう求めた。北朝鮮の「革命の聖地」とは、
金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている錦繍山記念宮殿、革命烈士陵、
愛国烈士陵などを指す。北朝鮮側は「相手方の体制や尊厳を象徴する聖地や名所、
参観施設などを制限なく訪問するべきだ」として、このような提案をした。
北朝鮮代表団が昨年8月 15日にソウルで行われた解放記念行事の際、国立顕忠院を訪問したのも、
このような主張をするために先手を打ったものと考えられる。
北朝鮮側は以前から参観施設についての制限撤廃を求めてきたが、今回はさらに具体的に、
韓国代表団の「聖地」訪問まで提案してきたというわけだ。ミサイルを発射して緊張を高めておいて、
韓国側に金日成主席の墓所の参拝まで要求してきたことで、
会議場には「理解できない」との反応が広がった。
韓国国民が「(北朝鮮の)先軍政治の恩恵にあずかっている」という主張についても、
「荒唐無稽な主張だ」という否定的な反応が広がった。北朝鮮側はまた、
韓米合同軍事演習についても中止を要求した。
韓国統一部のイ・ジョンソク長官は北朝鮮のミサイル発射に強い遺憾の意を表明し、
「現在の情勢を打開できる唯一の道は北朝鮮が6カ国協議への復帰を決断することだ」と述べた。
イ長官は「周辺国の引き止めにもかかわらず北朝鮮がミサイル発射を強行したのはとても残念なことだ。
6カ国協議にすぐに復帰し、9・9共同声明を履行することが、
周辺国だけでなく北朝鮮にとっても利益となる」と述べた。
イ長官は「サッカー選手は自分では危険なプレーをしなかったと思うこともある。しかし、
相手チームの選手や審判、そして多くの観衆も危険だと思えば、危険なプレーをしたことになるものだ。
自己中心的に考えてはいけない」と述べた。
またイ長官は、「北朝鮮がミサイルを発射すれば、その射程距離に比例して南北間の距離も隔たるものだ。
北朝鮮は何をするべきであり、何をしてはいけないかについて、冷静に判断してほしい」と要求し、
さらに「今6カ国協議に復帰しなければ、南北関係にも影響を及ぼし、
国際社会の対応もより厳しくなるだろう」と警告した。
韓国側はまた、先月の光州での6・5(南北共同宣言6周年)記念行事の前後に
北朝鮮の祖国平和統一委員会の安京浩(アン・ギョンホ)書記局長が
「ハンナラ党が政権を取れば戦争になる」といった発言を繰り返したことについて「不適切な発言だ」
として改めて遺憾の意を表明し、再発防止を求めた。
北朝鮮はこの日夜、朝鮮中央通信を通じて北側の基調演説のうち「先軍政治の恩恵」に言及した部分や
コメの支援を求めた部分をカットして公開した。
釜山=キム・ミンチョル記者
ソース:朝鮮日報
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/13/20060713000023.html