これまでの南北離散家族の再会事業では、
北朝鮮の家族たちは機会あるごとに「将軍様」の話をして感動ムードに水を差した。
「将軍様」とは金正日(キム・ジョンイル)総書記を指す言葉だ。
しかし北朝鮮による拉致被害者の金英男(キム・ヨンナム)さんは先月
2830日の離散家族再会事業で記者会見までしたが「将軍様」という言葉を一度も口にしなかった。
29日、母親の崔桂月(チェ・ゲウォル)さんの傘寿(80歳)を祝う席でも「傘寿のお祝いを(わたしが)準備した」、
90年物という野生の高麗ニンジンをプレゼントしたときも「わたしが用意した高麗ニンジン」と、
「将軍様」の話を出さなかった。韓国側関係者も不思議に思った。
それらしい表現は「党の懐に抱かれ幸せに暮らしてきた」という言葉くらいだった。
金英男さんだけがそうなのではなかった。
金剛山の再会会場にいた他の北朝鮮側家族数百人も「将軍様」の話をほとんどしていない、と当局者は言う。
ある当局者は「将軍様の話がまったく出なかったわけではないが、
以前のように公の席では露骨に言わなかった」と話す。
今回、北朝鮮側の家族たちは体制を宣伝する歌も歌わなかった。
別の当局者は「金英男さん問題のため、韓国側を刺激しないよう今回だけ配慮したからなのか、
それとも“将軍様”という言葉が逆効果だと認識したからなのか、状況を見なければ分からない」としている。
キム・ミンチョル記者
ソース:朝鮮日報
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/07/03/20060703000017.html