「栃木エベレスト登山隊2006」(北村誠一隊長、隊員4人)の一員として
世界最高峰のエベレスト(中国名チョモランマ=8848メートル)に挑んでいた登山愛好家、
遠藤博隆さん(55)(中山町長崎)が17日、登頂に成功した。県山岳連盟などによると、
エベレスト登頂に成功した県内在住者は2人目という。
登山隊は現地時間の16日夜、中国側に設けた高度8300メートル付近のキャンプからアタックを開始。
17日正午ごろ、4人全員で頂上に到着したという。
現地のエージェントから栃木県内の留守番部隊に電話連絡があった。登山隊は3月26日に日本を出発。
約5000メートルから登っては少し戻ることを繰り返し、徐々に高度順化していた。
遠藤さんは20歳のころに登山を始め、社会人になっても年間75日を山で過ごしていた。しかし、
会社の休暇を利用していたため、海外での経験は韓国での岩登り1回だけだった。2005年1月、
かつて一緒に活動した栃木県の山仲間に誘われてエベレスト挑戦を決断。
富士山頂に泊まり込んで体を高所に慣らしたり、足に重りをつけて自宅から天童、
西川などを往復するトレーニングを続けた。さらに今年1月、
55歳の誕生日を迎えたのを機にレンズメーカーを早期退職。万全の準備で遠征に臨んだ。
仏壇に毎朝手を合わせて無事を祈っていたという妻の千草さん(55)は「無事に帰ってきてくれるとは思ったが、
登頂したと聞いてほっとしました」。遠藤さんが所属する西川山岳会の渋谷啓会長は「遠藤さんは、
握手をするとつぶされそうなほど体力がある。目標を持って鍛錬を続けてきた結果で、
同年代の人たちにも希望を与えてくれた」と話している。
ソース:(2006年5月19日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news002.htm