関西学生野球の春季リーグ第7週2日目の試合が14日、甲子園球場で行われた。近大は京大を
3−0で下し、3季連続39度目のリーグ制覇。エースの大隣憲司(4年=京都学園)は
登板しなかったが、リーグトップの6勝を挙げ、優勝に貢献した。6月6日に開幕する
全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム)で日本一を目指す。
大隣は胴上げ投手の座を固辞した。3点リードで迎えた9回表。榎本監督から登板を打診されたが、
首を縦に振らなかった。「僕はいいです。監督の思うようにやってください」。同学年の今泉直弘に
マウンドを譲り、ベンチから優勝の瞬間を見届けた。この姿勢が今年の近大を象徴していた。
昨秋の大隣は防御率0・70の好成績だったが、それでも2敗している。「防御率0点台で
負けることがないようにしなければ…」と榎本監督はオフの打線強化を最優先課題に挙げた。2月の
キャンプからリーグ開幕まで、合計5万本のスイングを野手に課した。これほど力を入れたのは、
巨人二岡を擁し、大学球界史上初の5冠を達成した97年以来という。この日は
3番津田慶久(4年=履正社)が先制タイムリー、中押しの犠飛を放つなど2打点の活躍。
「これだけ振ったから後はやるだけ、と自信がついた」。1番小瀬浩之(3年=尽誠学園)は
リーグトップの打率4割4分7厘でチームを引っ張った。堅守も目立ち、不調のエースを全員野球で
支えた。
大隣にとっては3度目の全国舞台が待っている。昨春は決勝、昨秋は初戦の2回戦で
サヨナラ負けを喫した。「長くいれるようにしたい。できれば最後まで…」。アマ球界屈指の左腕が
日本一の勲章を取りに行く。
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