文化庁は29日未明、
奈良県明日香村のキトラ古墳(7世紀―8世紀初め)の石室天井に描かれた天文図に、
黒いカビらしきものが見つかったと発表した。
文化庁によると28日午後、定期点検のため石室内に入った東京文化財研究所の担当者が、
天井表面に描かれた「尾宿」と呼ばれる直径7センチほどの円形の星座の中に、
カビらしきものを見つけた。前回25日の点検ではなかったという。
一部は金ぱくで表現された星や、朱で描かれた星座線の上にも掛かっている可能性があり、
その場合は「絵を傷める可能性があるため除去は困難」(記念物課)という。
文化庁は今後、カビの種類の特定などを進め、除去方法を検討する。
キトラ古墳は保存のため壁画のはぎ取り作業が進められており、
西壁の「白虎」や東壁「青龍」、北壁「玄武」などがすでにはぎ取り済み。
一方で下地のしっくいが粉状化している天文図や、
しっくいが1.5―2.2ミリと薄い南壁「朱雀」などは技術的にはぎ取りが難しく、
作業が中断している。
(01:34)
引用元:NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060428AT1G2804N28042006.html