◇国連安保理、スーダン制裁決議を採択
国連安全保障理事会は25日、「世界最悪の人道危機」と呼ばれるスーダン西部の
ダルフール地方で続く紛争の責任者として、スーダン空軍の前司令官と政府側民兵組織幹部、
反政府勢力幹部2人の計4人に対する制裁を実施する決議案を、賛成12、反対0、
棄権3(中国、ロシア、カタール)で採択した。ダルフール問題で安保理が制裁措置を
科すのは初めて。
決議案は米国が起草し、英、仏、日本など8カ国が共同で提案した。4人の海外資産を
凍結し、国外渡航を禁止する内容。米国のボルトン国連大使は「全会一致にならなかった
ことは残念だ」と中ロなどを批判しつつ、「これは第一歩だ」とさらに制裁対象を増やす考えを示した。
一方、中国の王光亜国連大使は棄権の理由について、中国がスーダンから石油を
輸入するなど、経済関係が深いとの記者団の指摘に対し「中国はあらゆる制裁に
否定的な原則を持っている」と否定。「採決のタイミングも良くない」と述べた。
スーダン政府と反政府勢力はアフリカ連合(AU)の仲介で、今月30日を目標とした
和平交渉をナイジェリアの首都アブジャで続けている。中国は当初、この交渉に悪影響を
与えるとして、月内の安保理決議採決に強く反対していた。しかし、安保理が和平交渉を
「強く支持」し、当事者に和平合意を求める、との議長声明を同時に採択することを、
タンザニアが提案。アフリカ諸国がこれに賛成したため、中国も棄権に回り、決議採択を
黙認する格好となった。
安保理は25日、この議長声明とダルフール問題が隣国チャドに波及していることに
懸念を示す二つの議長声明を全会一致で採択した。
ソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0426/005.html ※参考:スーダン(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/sudan/index.html