◇小魚を丸ごと味噌に 県食品研究所が技術開発 今秋製品化
富山県食品研究所の原田恭行主任研究員を中心とする研究グループは、
富山湾の定置網にかかる小魚やシロエビの殻など、利用されることの少ない
水産資源を原料にした「魚味噌(みそ)」の製造技術を開発した。魚を丸ごと使うため、
カルシウムが豊富で、健康効果が得られる調味料として期待されている。魚の
骨や内臓も利用した味噌は北陸で初めてで、同研究所では十月ごろまでの
製品化を目指している。
原田さんらは定置網にかかる商品価値の低い小魚の有効活用を図るため、
二年前から魚味噌の研究に着手した。魚を丸ごと利用し、捨てる部分を出さない
味噌造りに取り組んだ。
加工は魚をミンチにし、クエン酸溶液に三日間漬けて骨や鱗(うろこ)などを
軟化、溶解させた後、米麹(こうじ)、食塩と混ぜ合わせ、約百日間発酵させる。
小アジや小サバ、シロエビの殻などを使って試作を繰り返し、骨などによる
ざらついた食感のない味噌の製造法を開発した。製造法は、三月二十九日から
高知県で開かれた日本水産学会大会で発表した。
同研究所によると、富山湾の定置網にかかる小魚類は最も多い六月から
八月で一日平均一トンを超え、その消費方法が問題となっているが、魚味噌の
開発によって道が開ける。魚味噌はやや水分の多いペースト状で、味噌の味わいに
加え素材となった魚の風味が生かされている。カルシウムや遊離アミノ酸などの
成分が豊富で、栄養素の吸収を助ける酸の働きも期待できるという。
原田さんは「魚味噌を県民に定着させ、富山の漁業のさらなる活性化にも
貢献したい」と話し、意欲を見せている。
ソース:北國新聞
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20060423001.htm 日本海の期待age.