振り込め詐欺やヤミ金融業者による電話転送サービスの悪用が横行しているとして、
総務省は、転送サービス事業者に対する監視強化に乗り出すことを決めた。
週明けにも、住所の判明している無届け業者に、電気通信事業法に基づく届け出を求める警告文書を送り、
応じない場合は告発する。
犯罪に結びつくとして問題になったプリペイド式携帯電話は、契約時の本人確認が今月から義務付けられており、
総務省は転送サービスの監視を強め、電話の犯罪利用を抑止する狙いだ。
転送サービスを行うには、電気通信事業法に基づいて総務相への届け出が必要だが、業者のほとんどは無届けだ。
しかも、転送業者の多くが、広告で「身分証明書不要」「来店不要」などとうたい、
本人確認なしで客を集めており、発信元の電話番号を隠すためにサービスが利用されるケースが後を絶たない。
振り込め詐欺などに多く使われるのは「逆転送」と呼ばれるサービスで、
犯行グループが携帯電話から転送業者の固定電話にかけ、無差別に選んだ相手先に転送させる手口だ。
相手の電話には、東京「03」や大阪「06」など固定電話の番号が表示されるため、
電話を取って犯罪に巻き込まれることになる。電話の発信元の電話番号が特定しにくく、
取り締まりや摘発が困難になっていた。
プリペイド式携帯電話については、携帯電話不正利用防止法が今月から全面施行され、
利用者の本人確認が義務付けられた。総務省は、電話転送サービスの無届け業者が野放しでは、
被害防止につながらないと判断、対策強化を決めた。
電気通信事業法では、転送サービスを無届けで営業すると、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。
これまでも、ヤミ金融業者と転送サービスの契約を結び、電話での勧誘を手助けしたとして、
電気通信事業者が出資法違反(高金利)のほう助容疑で摘発された例もある。
(2006年4月8日14時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060408it04.htm