【上海=豊田雄二郎】中国大陸で「カジノ解禁」が検討されていることが二十二日、分かった。
国務院(政府)の批准(認可)を待ち、上海市が今秋には市郊外にカジノを開く。
沿海部の都市を中心に順次、解禁される可能性が高い。
中国の賭博はマカオのカジノや香港の競馬が有名だが、大陸では一切禁じられている。
ただ一般市民に広くはびこっており、昨年だけで少なくとも七十万人以上が賭博容疑で摘発された。
一部の富裕層は北朝鮮や東南アジア、豪州、米国などに賭博ツアーに出掛け、
毎年数兆円が海外に流失しているともされる。
大陸初のカジノが建設されるのは上海市西部にある自動車レースのF1(フォーミュラワン)会場内。市
が一昨年秋、六百億円弱を投じて完成した。F1誘致に成功したものの、他のイベントは少なく、
カジノ建設は収益難を解消するねらいがある。
サーキット場の南方にカジノ施設を建設し、F1の中国グランプリが開催される今秋までにスロット遊技機百台程度
を設置する。規模は年々拡大する計画で、サーキット場に車を走らせ、賭けの対象とする案もある。
中国は二〇〇八年の「北京五輪」や一〇年の「上海万博」を控え、イメージダウンにつながるとの指摘もある。
ただこれ以上取り締まりを強化するより、逆に合法化した方が現実に即しているとの声も強い。
大陸全土でカジノを解禁した場合、賭博産業は数十兆円市場になるとの見方もある。
ただ、関係者によると、現在、政府内部では財政省か民政省か、どちらをカジノの管轄とするかで綱引きが激しく、
国務院の批准が遅れる可能性もある。
ソース:中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20060323/mng_____kok_____001.shtml