アジアや欧州で猛威をふるう鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)について、北海道大などの
研究グループが国内初となるニワトリ用ワクチンの開発に成功、今秋にも農林水産省に申請する。
茨城県つくば市内で21日に開かれた日本獣医師会・日本獣医学会連携大会で、発表した。
この国産ワクチンは、1回注射するだけで2週間後にはウイルスを撃退する抗体がニワトリの体内で増えるなど、
従来ワクチンに比べて早い効果が期待できるのが特徴。政府が流行に備えて海外から輸入し、
備蓄を進めるワクチンの代替品としての活用をめざす。
研究グループは、モンゴルで見つかったH5N2型とH7N1型のウイルスの遺伝子を一部ずつ使って、
毒性と感染性のないH5N1型の改造ウイルスを作成。この改造ウイルスがワクチンとして働くかどうか確かめるため、
生後4週目のニワトリに注射したところ、インフルエンザ特有のたんぱく質を認識して、
これを攻撃する抗体がニワトリの体内で作られていることが分かった。
さらに、通常のニワトリと、新ワクチンを注射したニワトリの双方に、山口県で見つかったH5N1型を感染させた結果、
通常のニワトリは2週間以内にすべて死んだのに対し、注射したニワトリはすべて元気なままだった。
注射から半年後も症状を防ぐのに十分な抗体量を保つことも、確認したという。
(2006年3月22日3時12分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060322i301.htm