農産物に残留する農薬の規制対象を一気に拡大するポジティブリスト制度が、
食品衛生法の改正で5月29日に導入される。これを前に、農水省が全国の農家に農薬の散布方法に関する
注意を呼びかけている。近くの農地で使われた農薬が風で飛散し、これが付着した農産物の出荷停止や
回収処分を突然に求められる例が予想されるからだ。
今の規制では、それぞれの農薬について残留基準がある農産物とないものがある。
水田でイネ用に散布した農薬が飛散して、隣の畑の野菜に大量にかかっても、野菜でその農薬の残留基準が
設けられていなければ、自由に流通する。
「高温多湿で害虫が発生しやすい日本は、世界的に見ても農薬の使用量が多い」(農水省消費・安全局)。
今の規制では大量の農薬が残留した農産物が食卓にのぼる危険があると批判が出ていた。
ポジティブリスト制度により、他人の農地から飛散してきた農薬でも、基準値を超えて残留していれば出荷できなくなる。
農家は気が付きにくい農薬の付着などに備える必要がある。
このため農水省は、農家が互いに農薬の散布量を抑えたり、風向きに気を付けたりするよう呼びかける
パンフレットを作製し、農家への配布を始めた。各都道府県に窓口を設け、農薬の飛散で迷惑を被った
農家からの相談も受け付ける。
ソース:asahi.com
http://www.asahi.com/life/update/0318/009.html