【中国】純国産車:日本で学んだ中国の企業家、祖国で独自開発[060308]

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1すく水@コギャルの潮干狩り(060314)φ ★
 日本留学経験を持つ中国人が起こしたベンチャー企業が今年夏、設計から部品まですべ
て独自に開発した乗用車を送り出す。中国には外資も含めて100社ほどの自動車メーカー
があるが、米、独、日などとの合弁企業が大半で、中国で「国産車」と言われる車も外国技術
のコピーが中心だった。日本で学んだ自動車技術を祖国で開花させた初の“純国産車”の誕
生といえそうだ。

 開発したのは、中国の自動車メーカーから発注を受けた「北京精衛全能科技有限公司」。
九州大大学院に留学し、工学博士を取得した北京市の宣奇武さん(39)が会長を務める。宣
さんはエンジン燃焼の専門家で、日本の自動車メーカーに5年ほど勤務。しかし、「いつかは
祖国で働きたい」と思い、友人と共同で起業。2年前に帰国し経営に専念している。

 同公司の約320人の社員は、大半が車のデザインやエンジン、車体などの技術者という頭
脳集団。車のコンセプトから模型、試作車の作製まで本格的な設計を手がける。日本人と韓
国人も10人ずつ働いている。日本人には自動車メーカー出身者もおり、技術分野の中核的
な役割を担っているという。

 宣さんによると、中国のメーカーは車を設計するだけの十分な技術を持っていないところが
ほとんど。技術があっても資金と手間がかかるため、これまで外国技術のコピーか、外注に
頼っていたという。

 同公司は中国資本の民族系メーカーから発注を受けて現在5車種を開発中。今年6月から
来年にかけ、独自に開発した車が走り出すことになる。宣さんは「わが社は車が好きな人間
の集まり。中国、日本、韓国の3カ国の人材がお互いをよく理解し、安全に走る車を作るため
に一致団結している」と話した。

 中国の事情に詳しい政策研究大学院大学の角南(すなみ)篤・助教授は「中国もついにここ
まで来たかという印象だ。自動車の設計技術は日本のお家芸で、そのノウハウはメーカーの
組織内に閉じ込められてきたが、留学生を通じて中国にも蓄積されつつあることを示している
」と指摘している。【中村牧生】

毎日新聞 2006年3月8日 3時00分

MSN毎日インタラクティブ
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060308k0000m040160000c.html